【日経新春杯】デビュー3年目の団野がショウリュウイクゾで初重賞制覇「これからも日々精進していきたいと思います」

デビュー3年目の団野はショウリュウイクゾを見事にリードして重賞初制覇

GⅡ日経新春杯(中京芝2200メートル)は、3勝クラスからの格上挑戦で臨んだ7番人気のショウリュウイクゾ(牡5・佐々木)が制し、2着には13番人気ミスマンマミーアが入る波乱の決着に…。この勝利で鞍上の団野大成(20=斉藤崇)はパートナーとともにうれしい重賞初勝利を決めた。今回の激走を呼んだ要因のひとつは若武者の勇気ある積極プレーだが、それ以外にも理由がしっかりあったようで…。

「若いけど魅せる競馬をするジョッキー。思い切りがいいし、メリハリが利いている。そういうところが好きなんだ」

佐々木調教師はこんな言葉でショウリュウイクゾを勝利に導いた若武者・団野を褒めたたえた。

初騎乗にも臆することなく、レースは好位の3番手。人気のアドマイヤビルゴ、ヴェロックスを内に見ながら、53キロの軽ハンデを生かした強気の競馬で〝動線〟をつくった。トレーナーはここが勝負の分かれ目だった、と振り返る。

「ジリ(脚)なところがあるので積極的に乗ってくれとだけ伝えた。好スタートから、これで負けたら仕方ないというのを1コーナーでやってくれた」。昨年、佐々木厩舎のJRA全33勝のうちトップの14勝が団野とのコンビ。目をかける期待の若手の奮闘に指揮官の笑顔がはじけた。

デビュー3年目でうれしい初タイトルとなった団野は「今でも信じられないところがあります」。率直な言葉で喜びを伝えながらも「厩舎サイドが本当に上手に仕上げてくれました。(騎乗した)1週前追い切りの雰囲気も良かったので、いい勝負ができるんじゃないかと思っていました。この勝利に甘んじることなく、これからも日々精進していきたいと思います」と、厩舎関係者への感謝の気持ちを保持しつつ、さらなる高みへと視線を向けた。

今回の波乱劇を呼んだ要因。それが団野の勇気ある積極策であることに異論はない。しかし、その陰で佐々木調教師によるレース選択の妙も見逃せない。

「先週に自己条件(3勝クラス・寿S)のレースもあったけど、おそらくトップハンデだっただろうし、使いたいとは思わなかった。2走前(ムーンライトハンデ2着)に(2キロ軽かった)アドマイヤビルゴと差のない競馬ができていたし、今回の斤量差を考えれば格上挑戦でも、と思っていたんだ」。

指揮官の抜け目ないインサイドワークが勝利の呼び水となった。

今後は未定ながらも「中距離路線で」と佐々木調教師。厳寒期のハンデ重賞勝ちだけに新星誕生とまではぶち上げられないが、勢いに乗る人馬には引き続き注目する必要がありそうだ。

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