JR西日本、新幹線と在来線で荷物輸送の実証実験へ

JR西日本は、北陸新幹線・山陽新幹線・九州新幹線、在来線で荷物輸送の実証実験に着手。コロナショックで落ち込む旅客数に対し、物流が旺盛なのをうけ、荷物輸送に新たな価値を探る考え。

北陸新幹線では、JR東日本と連携し、北陸エリアの特産品を首都圏に輸送する事業を拡大させていく。

従来はキャンペーンと連動した実施にとどまっていたのを、新幹線の速達性・定時性を活かして継続的な提供を検討。今後は、持続可能なスキーム構築、荷主開拓などについて、JR東日本グループと協議していく。

山陽・九州新幹線では、JR九州と連携し、九州エリアの特産品などを関西エリアへ輸送する試行を実施する。

また、新大阪駅で新幹線から下ろした荷物を、在来線に積み替えて大阪や京都などに輸送するなど、新幹線と在来線を組み合わせての荷物輸送も試行する。

この試行は、山陽・九州新幹線相互直通10周年にあわせて、2021年2月から実証実験に着手する構え。

さらに在来線では、地元生産者などや運送事業者と連携し、伯備線の普通列車を活用し、地域の農産品を岡山まで輸送する試行も1月下旬から実施する。

この実証実験後に、駅での農産品販売ニーズを調査するとともに、地元事業者などと連携し、地域活性化を目的とした農産品輸送を検討していく。

―――JR西日本は今後、コロナ禍による「人の移動の停滞と物の動きの活発化」を契機ととらえ、旅客列車を活用した荷物輸送事業の可能性を探り、社会課題・地域課題の解決をめざすという。

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