【新日本】〝緊急事態〟の聖地で棚橋奮起! 感無量の「愛してま~す!」でNEVER奪取誓う

NEVER王者・鷹木にスリングブレイドを放つ棚橋(上) 

新日本プロレスの18日・後楽園ホール大会で、棚橋弘至(44)が魂のパフォーマンスを見せつけた。

30日愛知県体育館大会でNEVER無差別級王者・鷹木信悟(38)への挑戦を控える棚橋はこの日のメインイベントでタッグ前哨戦に出撃した。ドラゴンスクリュー、テキサスクローバーホールドで鷹木を攻め立て好調ぶりをアピール。さらに終盤にBUSHIと一騎打ち状態になると、スリングブレイドからのハイフライフローで華麗に圧殺しベルト取りに弾みをつけた。

メインを勝利で飾った棚橋はマイクを握ると、ファンに感謝の言葉を述べた後、大きく息を吐き「悔しいです。でも、今日の後楽園ホールを俺は絶対に覚えておきます。みんなも『あの時、後楽園ホールにいたんだぜ』って誇れる日にします」と吐露した。この日の後楽園大会は、緊急事態宣言下の平日開催ということもあってか、団体発表の観衆は396人にとどまった。昨年から続くコロナ禍における興行と比べても、一際と空席が目立つ苦しい興行だった。2000年代の暗黒時代から団体を再建させ、超満員の会場を復活させた立役者には複雑な思いがあったに違いない。

だからこそこの日はハイフライフローでの勝利にこだわった。エアギターでファンを沸かせ、再びマイクを握った棚橋は「ハイフライフローを飛び続けた記憶、それは新日本プロレスを盛り上げてきた記憶、そのものだから。だから今は我慢して、我慢して、悲しみも、苦しみも、悔しさも、全部エネルギーに変えていきます! というわけで、ちょっくらNEVER取ってきます。じゃあ最後に! 会場の皆さん! そして(新日本プロレス)ワールドをご覧の皆さん! 愛してま~す!」と時折涙声になりながら絶叫した。

コロナ禍で苦境に立たされた団体と同じように、棚橋自身も近年は度重なる故障に苦しみ続けてきた。「諦めない、疲れない! いまNEVERを取って一番意味のある行動ができるのは俺だと思ってます。だからNEVERだけに…〝ネバ〟ります!」と、最後の最後こそ寄る年波を感じさせてしまったが、〝緊急事態〟でこそ燃える不屈のエースが名古屋決戦で復活を果たす。

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