追手門学院大学・宮宇地准教授らの研究が「のれん」会計処理の日本代表意見に採用

企業がM&Aなどで支払った金額のうち、買収先の純資産を上回った額を指す「のれん」。この会計処理をめぐって国際論争が続いているが、追手門学院大学経営学部の宮宇地俊岳准教授が参加したチームの研究が、日本証券アナリスト協会が国際機関に提出した日本側意見書の根拠として引用された。

追手門学院大学によると、のれんは広義には買収先企業のブランド力や技術力、顧客ネットワーク、人的資源など目に見えない資産価値を表したもので、企業の超過収益力と考えられている。以前は営業権という言葉で表現されていた。日本ではのれんが時間の経過とともに価値を下げると考えられ、売り上げが予測通りに回収できなかった場合に資産価値を減らす減損処理に定期償却をプラスした会計基準を採用している。これに対し、欧米では時間の経過だけでは価値が減らないとする考えが一般的で、減損処理のみの基準を採用している。

このため、欧米基準だと実態以上にのれんが膨らんで企業価値を必要以上に高めることになり、国際的なM&A;で日本側が不利になることが珍しくなかった。国際機関の国際会計基準審議会は改善に向けて対処するため、各国の意見を求めていた。

引用されたのは宮宇地准教授が参加したチームが実施したのれんの会計処理をめぐる大規模アンケートの結果部分で、企業や証券アナリストの間で減損処理に定期償却を加えた会計処理を支持する声が多数を占めていると結論づけている。

参考:

【追手門学院大学】M&A; 等に関する日本の国際競争力の是正へとつながる研究 国際論争続く「のれん」会計処理の日本代表意見に採用(PDF)

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