フードドライブの輪が広がる 高校生、大学生のボランティア団体「VONS」が開催

 県内の高校生や大学生でつくるボランティア団体「VONS(ボンス)」が那覇市内を中心に取り組むフードドライブ(食料品を集める活動)、「MUGムグフードプロジェクト」の輪が広がっている。昨年12月には6回目のフードドライブが開催された。これまでに100人以上の高校生らがボランティアスタッフとして参加している。VONSを立ち上げた県立那覇国際高校3年の平敷雅さん(19)と琉球大学1年の屋嘉部方来(みらい)さん(19)は「新型コロナウイルスの感染が収束しても生活に困窮する人たちを持続的に助けられる仕組みをつくりたい」と語る。

 VONSは昨年5月に設立された。6月には、VONSの活動に参加した本島中部の高校生らが「学生ボランティアゆがふ」を始動した。

 昨年12月に那覇市銘苅のなは市民協働プラザで開催されたVONSのフードドライブには、高校生ら約40人が参加した。初めて参加した生徒は「困っている人がたくさんいることを知った」などと話し、活動への意欲を高めていた。毎回、約800点から千点以上の食料が寄贈されるという。

 平敷さんは「活動を経験した高校生がそれぞれの地域で自主的に活動し、県内に広がることが目標だ。ネットワークを構築し、ノウハウを引き継いでサポートしていきたい」と語った。屋嘉部さんは「無関心が一番怖い。この活動を通して学校だけでは学べないことが経験できる」と意義を説明した。

 VONSは那覇市の新型コロナウイルス感染症対応市民活動チャレンジ助成も受けている。市まちづくり協働推進課や市協働によるまちづくり推進協議会などが支援している。12月に寄贈された食料は市社会福祉協議会など5団体を通じて必要とする人に届けられる。

 (中川廣江通信員)

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