無観客でも心配無用! Gキャンプで熱気生む元木ヘッド&阿部二軍監督の「オラオラノック」

ノックに定評がある巨人・元木ヘッド(左)と阿部二軍監督

〝静寂キャンプ〟を打ち破るキーマンは――。新型コロナウイルスの感染拡大は、球春到来を告げる春季キャンプにも暗い影を落としている。巨人では宮崎キャンプを無観客に変更し、2次キャンプ地の沖縄の見通しも不透明なまま。場合によってはキャンプ全体を通じて「観客ゼロ」となる可能性もあり、伝統球団が誇る2大鬼軍曹の大暴れに期待が集まっている。

巨人は政府の緊急事態宣言に加え、宮崎県が独自の緊急事態宣言を発したことを受け、双方が解除されるまで無観客とすることを決定している。沖縄県でも独自の緊急事態宣言を発出。今後の状況次第ではキャンプを通じて無観客、さらなる入場者の制限をする可能性がある。

例年のようにグラウンドとスタンドが一体となるようなキャンプは夢のまた夢…。鍛錬の場が歓声のない寂しいものとなることは確実で、選手のモチベーション低下にもつながりかねない。

そんな逆境を吹き飛ばす力を秘めているのがキャンプ名物でもあるノックだろう。原巨人の〝名物ノッカー〟として真っ先に浮かぶのは元木大介ヘッドコーチ(49)だ。タレントから入閣したばかりの2019年の春季キャンプでは「うりゃ~!」とノックの雨を降らせながらヤジを連発。選手以上に声を張り上げてチームを盛り上げ、毎日のようにスタンドのファンから大きな拍手がわき起こった。そのムードメーカーぶりも評価され、原監督からまさかの「キャンプMVP」に選ばれたほどだった。

ただ、昨年9月に虫垂炎で離脱して以降、ノッカー役は別のコーチが務めるケースが増え、ノックバットを持つ機会も激減していた。しかし、元木ヘッドはキャンプに向けて「打つんだったら打つよ。体調? 全然大丈夫」と、すっかり前のめり。鳴りを潜めていた鬼ノッカーぶりで、再びグラウンド内が活気づきそうな雲行きだ。

そんな「キャンプMVP男」がノッカーとしても絶賛していたのが、阿部慎之助二軍監督(41)だった。キャンプ中は一軍と二軍で拠点が異なるため、2人の鬼軍曹が練習中に顔を合わせる機会はほぼない。だが、昨春の宮崎キャンプで元木ヘッドがファームの練習場に足を運んだ際、阿部二軍監督が「オラァ~!!」と野太い怒声を響かせながら若手の前後左右にノックを乱れ打つ姿に目を奪われ「元気だねえ。引退してすぐだから元気でいいよ」と〝お墨付き〟を与えたほどだった。

今春キャンプで元木ヘッドは坂本や菅野らが参加する「S班」の指揮を執り、2月1日に東京ドームで始動し、6日以降は沖縄で調整に入る。一方の阿部二軍監督はキャンプインから同24日の打ち上げまで宮崎で若手の底上げを図る。

新型コロナ禍による異例の分散型、ファンの姿もまばらなキャンプとなるが、沖縄では元木ヘッド、宮崎でも阿部二軍監督がノックバットを手にチームを大いに盛り上げてくれそうだ。

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