武田修宏氏がヘタフェ移籍の久保建英に提言「出番少なければFC東京復帰もアリ」

〝日本の至宝〟久保建英

スペイン1部ヘタフェの日本代表MF久保建英(19)が進むべき道とは――。同1部の強豪ビリャレアルから出場機会を求めて下位のヘタフェにシーズン中の再レンタル移籍という異例の決断に踏み切ったのは正解だったのか。元日本代表FWで本紙評論家の武田修宏氏(53)が、決断の成否を占った上で〝日本の至宝〟の飛躍を願って仰天プランまでぶち上げた。

【武田修宏の直言!】久保はビリャレアルでウナイ・エメリ監督(49)から戦力として見られていなかったね。チームのスタイルや監督と合わないのなら、チームを変えたほうがいい。

これまでフィジカルを前面に押し出すスタイルだったヘタフェのチームカラーが合うのか、強豪から下位のチームに行って成長につながるのかという意見もあるけど、それは違うんじゃないか。選手にとって最も重要なのは出場時間。とにかく試合に出ることが成長への近道だからね。プレー時間の重要性をそこまで強調するのは、もう久保が〝若くない〟からだよ。

久保の保有元であるレアル・マドリードでは同じ2001年生まれのFWロドリゴ(20)が出場しているし、ライバルのバルセロナではFWアンス・ファティ(18)やMFペドリ(18)など久保より年下の選手が目覚ましい活躍を見せているでしょ。今年20歳になる久保は決して若いとは言えず、少しの時間も無駄にはできないんだ。久保も入団会見で「出場時間を必要としていた」と移籍の理由を語っていたけど、本人も時間を無駄にできないと思っているんだろうね。

今後は彼の良さであるゴールに向かっていく動き、ボールを持ったときの動きを生かしてどんどん積極的にプレーしてほしい。プレーすればするほど長所が伸びていくと思う。少し気がかりなのは、以前から課題だったハードワークや守備への貢献という部分がスペインに行ってからあまり改善されていないように見えるところだね。

振り返ると、そういった課題点の克服を一番頑張っていたのがFC東京にいたころだと思う。長谷川健太監督(55)に厳しく言われ続けて、必死に努力して選手として大きく成長した。あの時のことを思い出してヘタフェでも、もう一度やり直す気持ちで頑張ってもらいたい。

もしヘタフェで思うようなプレーができなくて出場機会が確保できないようなら、一度FC東京に戻ってくるのもアリなんじゃないかな。健太さんのもとで鍛え直してもらって、そこでどんどん試合に出れば成長できるはずだから。それは決して遠回りじゃないし、そこで活躍すれば日本代表でも良いパフォーマンスが見せられるはず。

それほど久保の年代では出場時間が重要ということなんだ。立ち止まっている時間はない。日本の宝だからどんどん試合を経験して、大きく羽ばたいてほしい。

(元日本代表FW)

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