倉本聰と是枝裕和が富良野の森で対談! 名作ドラマ誕生の裏側とは?

HBC北海道放送では1月23日に「HBC創立70周年記念 倉本聰×是枝裕和 特別対談『“あのとき”から~北の大地とドラマと…』」(午後2:00、北海道ローカル)が放送される。映画監督の是枝裕和氏が「憧れ以上の存在」という脚本家の倉本聰氏と北海道・富良野で対談。北海道を舞台にHBCが制作した倉本脚本の名作ドラマ誕生の背景に迫る。語りは松岡茉優。また、当日は同番組に続き、HBC創立70周年記念ドラマアンコールとして、倉本氏が脚本を担当した「幻の町」(午後3:24、北海道ローカル)を放送する。

カンヌ国際映画祭最高賞を獲得するなど、国際的な評価を受ける映画監督の是枝氏は、幼い頃からテレビドラマ好きだった。中でも「強く心をつかまれた」と話すのが、北海道を舞台にしたドラマ。実はその多くは、HBCと倉本氏がタッグを組み制作した、全国向けの1話完結ドラマだった。

1957年の開局以来、HBCは200本を超えるドラマを手掛け、倉本氏が脚本を担当した「幻の町」「ばんえい」など19本のドラマは、いずれも高い評価を受けた。テレビの画面越しに、まだ幼かった是枝氏が偶然出合った倉本脚本の世界。是枝氏は学生時代、アルバイト代をつぎ込み、倉本氏の脚本集をいくつも手に入れ読みあさったという。

あれほどまで心を強く捉えて離さなかったのはなぜなのか? その答えを求めて、是枝氏が北海道・富良野を30年ぶりに訪れ、倉本氏と向き合う。地域と強く結びつき、北海道から際立つようなテレビドラマが次々と生まれていた“あの時”。時代が変わっても、変わらぬ創作への意欲について、日本を代表する表現者の2人が互いに問いかけ合い、思いをじっくりと語り合う。

当日は同番組に続き、76年に制作されたドラマ「幻の町」を放送。倉本氏が原作・脚本を担当し、第31回文化庁芸術祭テレビ部門優秀賞を受賞した作品だ。演出は守分寿男氏。物語は、樺太(現・サハリン)から引揚げた老夫婦(田中絹代、笠智衆)が、小樽に住むゆか(桃井かおり)のもとを訪れるところから始まる。2人は戦前に住んでいた樺太の町の地図を作るため、当時の様子を知る人々を探して各地を巡っているのだった。ところが、ゆかの家を出た後、2人はその大事な地図をなくしてしまう。

なお、「幻の町」「ばんえい」「りんりんと」のドラマ3本を収録したDVD「倉本聰ドラマコレクション」が3月24日に発売予定。特典映像は是枝氏との対談。価格は6600円。

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