社会保険料控除は家族分の確定申告が必要? 

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社会保険料控除とは

社会保険料控除とは所得にかかる税金を算出するときに、所得から引くことができる所得控除の1つです。所得から控除される額が多いほど、課税される所得が少なくなるため、その分だけ納める税金が少なくなります。

公的な医療や介護、年金といった社会保険において支払った保険料は、全額が控除できるので、所得控除の中でも特に大きな額を占めています。

家族分も社会保険料控除の対象になる

社会保険の保険料はそれぞれ個人で負担することにはなっていますが、実際に支払ったのは家族ということはよくあるでしょう。税金を納める人が生計を一にする配偶者やその他の親族が負担すべき社会保険料を払ったときには、その家族分の社会保険料を支払った人の控除の対象にできます。

例えば、扶養している子や配偶者の国民年金保険料や配偶者の介護保険料などを払った場合、保険料を負担すべき人ではなく、実際に支払った家族の方で社会保険料控除を受けることができるのです。

ただし、家族分の社会保険料だからといって、何でも控除の対象にできるわけではありません。例えば年金を受けている妻の介護保険料は、基本的に年金からの天引き(特別徴収)になっています。

そういった場合、妻の介護保険料は妻自身の年金から支払われているため、夫の社会保険料控除の対象にはなりません。控除を受ける人が実際にその保険料を支払っているということが必要となるのです。

特別徴収ではなく口座振替で行った場合には、妻以外の家族の口座から支払われていれば、その負担した家族の社会保険料控除の対象となってきます。

家族分の社会保険料控除は確定申告が必要?

給料をもらっている人自身の社会保険料は給料から天引きされるため、勤務先の方で把握されていますが、家族分の社会保険料を支払ったかどうかは何もしなければ勤務先の方では分かりません。そのため、家族分の社会保険料控除を受けるには確定申告が必要と思う方もいるでしょう。

給与をもらっている人は年末調整で年間の所得税の精算を行います。その精算に必要な情報を11月くらいに勤務先に提出すると思いますが、その際「給与所得者の保険料控除申告書」で家族分の社会保険料を申請すれば年末調整で一緒に精算されるため、確定申告は必要ありません。

なお、社会保険料のうち、国民年金の保険料については国民年金基金が発行した控除証明書が必要になりますので、忘れずに取っておくようにしましょう。

※国税庁 [手続名]給与所得者の保険料控除の申告より

控除証明書が届き、生命保険や地震保険の申請の方は意識していても、社会保険料の方は忘れがちかもしれません。

iDeCoの掛け金もその下の「小規模企業共済等掛金控除」の欄で申請するようになっているので、各書類で自分が申請すべきものは何かを知っておくことが今後ますます必要となるでしょう。

家族分の社会保険料の確定申告で税金が還付される

年末調整の際に申請を忘れていた場合、確定申告を行うことで家族分の社会保険料控除の申請を行うことができます。年末調整を受けていても、その後提出した確定申告の内容で更新し、年末調整分も含めてあらためて精算していくようになっているからです。

家族分の社会保険料だけでなく、年末調整時に申請していなかった生命保険などの控除についても申請することができます。

他にも医療費控除などを受けられる場合は、確定申告でこれらの控除を行うことで課税される所得が減り、その分の払いすぎていた税金の還付を受けることができるので、今まで確定申告をしたことがないという人もトライしてみるとよいでしょう。

所得税は申告納税が原則で、自ら申請した内容で計算していくことになります。使える控除などがあってもそれを申請しなければ恩恵を受けることができないので、制度や手続きについて知っていくことが大切です。

出典
※国税庁 [手続名]給与所得者の保険料控除の申告

執筆者:柴田千青
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者

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