EWC:ギュントーリと渡辺一樹がヨシムラSERT Motulに加入「バランスの取れたラインアップ」と加藤陽平氏

 1月19日、スズキは2021年シーズンからFIM世界耐久選手権(EWC)に参戦する『ヨシムラSERT Motul』のライダーラインアップを発表した。Suzuki Endurance Racing Team(SERT)で戦っていたグレッグ・ブラック、チャビエル・シメオン、そしてシルバン・ギュントーリと渡辺一樹が加入することとなった。

 鈴鹿8耐を4度制した日本の名門チームであるヨシムラとEWC最多となる16度のタイトルを獲得したフランスのチームであるSuzuki Endurance Racing Team(SERT)の合同チームとなるヨシムラSERT Motul。2021年シーズンから2チームがタッグを組む体制でEWCに参戦することとなった。

2021年シーズンのEWCで走るヨシムラSERT MotulのスズキGSX-R1000R

 1月19日には4人のライダーラインアップが発表され、シルバン・ギュントーリ、グレッグ・ブラック、チャビエル・シメオン、渡辺一樹がタイトル防衛を目指すことが決まった。

 ブラックは長年EWCに参戦してきたライダーで、シメオンはロードレース世界選手権のMotoGPクラスに参戦した経験を持つ。このふたりは2020年にSERTでともにEWCを戦っていた。

2021年シーズンのEWCで走るヨシムラSERT MotulのスズキGSX-R1000R

 ギュントーリは2014年にスーパーバイク世界選手権(SBK)でチャンピオンを獲得、現在はMotoGPクラスに参戦しているチーム・スズキ・エクスターのテストライダーを務めている。

 渡辺はヨシムラで全日本ロードに参戦してきた日本人ライダーだ。昨年はヨシムラの開発ライダーを務め、ヨシムラSERT Motulが使用するスズキGSX-R1000Rの開発にあたっていた。また、ギュントーリと渡辺はヨシムラでタッグを組み、鈴鹿8耐に参戦したこともある。

2021年シーズンのEWCで走るヨシムラSERT MotulのスズキGSX-R1000R

■ヨシムラSERT Motul チームディレクター:加藤陽平氏
「ヨシムラSERT Motulという新チームに、テスト/リザーブライダーを含む素晴らしいライダーを迎えることができてとても嬉しく思っています」

「2021年のライダーを決めるとき、私はチームの安定性と献身性に焦点を合わせ、次にスピードとチーム内のバランスを重視しました。決断を下すにあたり、チームマネージャーのダミアン(・ソルニエ)の意見を尊重し、タイトルを防衛するために非常にバランスの取れたラインアップを組むことができたと感じています」

「シルバンも一樹も鈴鹿8耐でヨシムラに深く関わっており、ご存知のように昨年世界タイトルを獲得したスズキのMotoGPマシンの開発を担当していました。一樹は今回のEWCプロジェクトの開発ライダーでもあり、彼の仕事にとても感謝しています」

「グレッグはSERTでハードワーカーとして活躍し、チームをチャンピオン獲得に導いてくれました。彼のル・マンスタイルのスタートはいつも非常に印象的です」

「チャビエルは昨年半ばにSERTに加入し、安定したスピードを見せてくれました。彼はキャリアの中で、Moto2やMotoGPといった世界最速のスピード競技でスキルを磨いてきましたので、私は2021年にさらなる活躍に期待しています」

「我々は4人のライダーと一生懸命働いて、チャンピオンシップタイトルの防衛に挑戦しています。ご支援いただきありがとうございます」

2021EWC:シルバン・ギュントーリ(ヨシムラSERT Motul)

■シルバン・ギュントーリ
「今回の新しい挑戦はとてもエキサイティングだ。僕は過去にSERT(2010年ドーハ8時間)、ヨシムラ(鈴鹿8耐)で3回レースをしたことがあるので、世界耐久選手権にフル参戦し、一緒に挑戦できるのは素晴らしいことだと感じているよ」

2021EWC:グレッグ・ブラック(ヨシムラSERT Motul)

■グレッグ・ブラック
「2020年に世界耐久選手権で勝利を挙げた後、特にスズキとSERTとともにヨシムラからの強力なサポートを受けて、新しいシーズンを迎えることを本当に楽しみにしている」

「また、ブリヂストンとのコラボレーションも非常に楽しみだ。カレンダーが発表され、4月のル・マン24時間で最初のレースが開催されることがわかったので、今季の初戦に向けて100%の力を発揮できるように準備を進めていくよ」

2021EWC:チャビエル・シメオン(ヨシムラSERT Motul)

■チャビエル・シメオン
「SERTとヨシムラのコラボレーションが強化されたことには非常に満足している。2021年の目標は、この(ゼッケン)ナンバーワンを維持することだ」

「チームに親しみを感じているし、GSX-R1000に乗ることを楽しんでいる。また、シルバンと一樹をチームに迎え入れることができてうれしいし、グレッグとともに良いチームを作ることができると確信している」

2021EWC:渡辺一樹(ヨシムラSERT Motul)

■渡辺一樹
「ヨシムラSERT Motulの一員になれたことをとても誇りに思いますし、ワクワクしています。僕は昨年、EWC仕様のバイクを開発するために多くの努力をしました。テストライダーとしての仕事に専念したことは、僕にとって新しい経験であり、ヨシムラのスズキGSX-R1000をより深く理解することができました」

「コースに出るのを本当に楽しみにしていますし、チームメイトがバイクにどのように感じているかを聞きたいです。鈴鹿以外のEWCレースは初めての挑戦であり、24時間レースを経験したことはないので、チームのために全力を尽くします」

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