通算打率.187&年間98失策 「史上最低のメジャーリーガー」とは

Googleで「史上最低のメジャーリーガーは誰?(Who’s the worst baseball player ever?)」と検索すると、最上位に名前が出てくるのがジョン・ゴックナーだ。データサイト「Baseball-Reference」によると、ゴックナーは1901年から3年間メジャーでプレー。通算264試合に出場して908打数170安打(打率.187)、0本塁打、OPS.498、146失策、守備率.901という成績が残されている。

ペンシルベニア州アルトゥーナで生まれたゴックナーはプロ野球選手、特に遊撃手になりたいと思っていた。1884~98年にレッズなどで活躍したジャーマニー・スミスに憧れていたという。しかし、ゴックナーは堅実な守備で鳴らしたスミスとは対照的な選手だった。

ゴックナーは通算打率が2割未満かつ通算本塁打0本の選手としては史上最多の打数(908)を記録している。また、遊撃の守備では通算264試合で146失策を喫しており、1903年には98失策を記録。シーズン90失策以上を記録した最後の選手となった。48失策を喫した1902年にはダブルヘッダーで5失策を記録したこともあったそうだ。

「BaseballGuru.com」は2003年に「ゴックナーより打撃が悪い選手はほとんどいなかったし、ゴックナーより守備が悪い選手もほとんどいなかった。しかし、ゴックナーほど攻守両面で酷い選手はいなかった」と記している。犯罪捜査ドラマ「ボーンズ」にも史上最低のメジャーリーガーとしてゴックナーの名前が登場するほどだ。

しかし、残っている成績を見る限り、マイナー時代のゴックナーの成績はそれほど悪くない。ゴックナーのパフォーマンスの悪化には背中の故障が関係していたと言われている。左打ちへの転向を試みるなど、故障の影響を回避するために様々な策を講じたゴックナーだったが、どれも上手くいかず、マイナー降格後も酷い成績が並んでいる。野球選手として大成することを諦めたあとはアンパイアになり、その後は地元のアルトゥーナに戻って警察官やバーテンダーとして働いていたという。

とはいえ、史上最低のメジャーリーガーとして人々に記憶されていることは、誰にも記憶されないよりはマシなのかもしれない。

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