日本列島ゆるゆる古墳ハント(14)古墳もいちごも同時にハント!綾塚古墳・橘塚古墳【福岡県京都郡】

「旅チャンネル」の企画で世界一周を2回経験した、古墳を愛するイラストレーター・マンガ家の水谷さるころが、これまで訪れた日本各地の古墳の魅力を紹介します。今回は、福岡県京都郡の「綾塚古墳・橘塚古墳」です。

橘塚古墳

橘塚古墳は黒田小学校という小学校の校庭にあります。学校の敷地内ですが、入って見ることができました。案内板が立っています。石室の中にも入れます。橘塚古墳は南北37m×東西52m程度、高さ7mの規模があったと考えられている方墳です。現在墳丘はかなり削られており高さは4mです。6世紀終わり頃に築造されたと推定されています。

橘塚古墳

綾塚古墳は直径40m、高さ7mの円墳です。7世紀初頭に築造されたと推定されています。綾塚古墳のほうが橘塚古墳よりも後に作られました。この2つの古墳は石室の構造がよく似ています。全国でも有数の石室をもつ古墳であり、豊前地方を代表する横穴式石室古墳です。

私は墳丘が好きなのですが、こちらの2つの古墳のメインは石室です。入り口から花崗岩の巨石が積み上げられており、圧巻です。とても天井が高いのが印象的・・・なんと天井までの高さは3.8mです。橘塚古墳は平安時代には石室が開かれていたと推測されています。すでに石棺はなく、玄室の中まで入れますが、昼間に入っても中はかなり暗いです。

綾塚古墳

綾塚古墳の玄室は手前に柵があり入ることはできませんが、中には17世紀の初め頃に、初代小倉藩主の細川忠興の家臣が割って運びだそうとしたという家型石棺が安置されています。石棺を運びだそうとしたら、数々の災害が起きたために元に戻し、信仰の対象とされているということです。ファラオの呪いみたいなことが、古墳でもあるんですね。

綾塚古墳

墳丘は大きくないので、墳丘の大きな古墳に比べると、ぱっと見そんなにすごい古墳には見えないのですが、石室は全長約19m、当時の天皇や皇族の古墳と同じ規模の石室で、国指定史跡です。

墳丘好きの私でも「すごい!」と思う石室でした。古墳のスゴさは見た目じゃわからない…!と気が付かせてくれる古墳でした。

石室を堪能した後は近くの「いのうえいちご」さんでいちご狩りを楽しみました。古墳は里山にあることも多く、探すと近くにフルーツ園があることもあります。ドライブで古墳に行くなら一緒にそのシーズンのフルーツ園に行くのもありだな!と思いました。我が家と姪っ子(息子の従姉妹)たち、一緒に古墳もいちごも同時にハントを堪能しました!

綾塚古墳・橘塚古墳

住所:福岡県京都郡みやこ町勝山黒田

[All Photos by Mizutani salucoro]

© 株式会社オンエア