ガチンコ〝千賀塾〟 後輩に求める志「必要じゃなくなったら、この世界にはいられない」

自らも率先して汗を流した(球団提供)

“喝”の真意は――。ソフトバンクのエース・千賀滉大投手(27)が19日に自主トレ先の沖縄・宮古島からオンライン取材に応じ「やりたいことができている。順調です」と好調ぶりをアピールした。

昨季終盤に得た手応えある感覚を理想とするフォームに落とし込む作業もスムーズに進んでいるという。今季のテーマに「不要な四球の撲滅」を掲げ、昨季の「投手3冠」に満足しない隙のない投球を誓った。

日本球界をけん引する立場になり、より自らを律している。同時に見込んだ仲間にも「本気だから」と厳しく接しているようだ。今回の合同トレには気心知れた石川や川原の他に初参加となる育成の重田、他球団から中日・梅津や阪神・浜地、楽天・池田らが参加。後輩たちへの要求が実に千賀らしく「刺激はないです。正直、物足りなさがある。もっと貪欲に向かっていってもいいのにな、と。必要じゃなくなったら、この世界にはいられない。それを分かった上で、一回きりの人生なので高い気持ちで過ごしてほしいという話はさせてもらった」と明かした。

かつて練習をともにした元中日のエース・吉見一起氏やソフトボール界のレジェンド・上野由岐子に食らいついて心技体の礎を築いた男らしい問題提起だった。

「聞いて学んで吸収して、それをおのおのが還元して、日本球界全体のレベルを押し上げる。そこからさらに切磋琢磨するサイクル(が望ましい)。それを否定する理由はない」

これまで請われれば合同練習を受け入れてきたが「そこに明確な意思や志があれば」との条件は付く。実績のある選手と時間を共有し“やった気”になるのは危険――。プロ入り以来、千賀が肝に銘じてきたことだった。

厳しいことを言うのも見込んでいるからこそ。後輩たちの「目標」であり続けるためにも気は抜けない。

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