ソフトバンク・周東が気にする身内のライバルとは

守備練習をする周東

後ろは振り返らない。ソフトバンク・周東佑京内野手(24)が危機感たっぷりに鍛錬のオフを過ごしている。鷹が誇る韋駄天は現在、今宮健太内野手(29)に師事する形で合同自主トレに参加中。20日は体のチェックのため福岡・筑後のファーム施設を訪れ、ベースランニングやノックなどの練習も行った。

盗塁王に輝き、13試合連続盗塁の世界記録を樹立した昨季はもう過去のこと。今季は二塁での全試合出場を掲げている。「不安です。楽しみではないです。セカンドは(ライバルが)多いですからね。先輩方もいるし、下からも三森とかいる。頑張らないといけない」。周囲はリードオフマン定着と、さらなる飛躍を期待するが、張本人は危機感を募らせている。

常勝軍団に身を置く24歳は「僕の代わりなんていくらでもいる」と言ってはばからない。昨季はリーグワーストの12失策。「今宮塾」では課題のスローイングを「本当にイチからやっている」。純粋で根が真面目な男。足元を見つめ、練習を積めば積むほど不安が増している様子だ。

「1か月でうまくなるなんて思っていない」と、冷静さも持ち合わせている。常勝軍団ゆえのライバルの突き上げは、本人も望むところ。新シーズンに挑む胸中は「去年と全然変わらない。どうやったら試合に出られるかを考えている。出場できるなら1番でも9番でも、与えられた役割を全うしたい」と〝ゼロベース〟を強調した。

熾烈なチーム内競争のゴングがなる2・1へ、飢えた姿でもう一度トライする。

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