【決算説明】薬王堂HD西郷辰弘社長、営業利益が過去最高に

【2020.01.20配信】薬王堂ホールディングスは1月18日、2021年2月期第3四半期決算説明の動画を公開した。同社代表取締役社長の西郷辰弘氏が説明した。

同社は1月5日に決算を公表していた。説明会は本来であれば会場での開催を予定していたものの、感染予防のため動画配信になった。

業績ハイライトとして、新型コロナウイルス感染症関連の需要拡大の影響があり、売上高が前年同期比10.2%増と、二桁増となったことを説明。販管費率を低下できたこともあり、営業利益、経常利益、純利益が大幅増加となり、いずれも過去最高益を更新したとした。

四半期ごとの推移を前期と比較すると、今期重点的に取り組んでいる売上総利益の見直しの成果が出始め、さらに販管費を低下できたことで売価を強化し、売上高を二桁成長させながらも利益を確保できる体制が整ってきた。

業績要因としては、5点を挙げた。
1つ目は、既存店売上高。新型コロナウイルス感染症関連商品の需要が拡大し、既存店売上が104.4%と増加した。
2つ目はヘルスケアカテゴリーの構成比が0.5%上昇したことで粗利率が上昇した。
3つ目は継続的な最低賃金の上昇により人件費が増加した。
4つ目はチラシの見送りにより販促費と人件費が低減した。
5つ目は出店数の差異による出店コストと人件費が減少した。前期は25出店のところ、17店舗の出店だった。

既存店売上の前期比は、9月は増税の反動減があったが、おおむね100%以上を維持している。2月以降にコロナ関連の需要が高まったが、直近は通常の状況に戻りつつある。累計では104.4%と堅調に推移している。
既存店の客数・一人当たり買い上げ点数の前期比推移では、コロナ関連の影響により2月以降客数が増加し、買い上げ点数が減少するという現象があったが、直近では通常に戻りつつある。

セグメント別では、ホーム部門とフード部門が高い伸び率となっており、全体をけん引している。ヘルスケア部門もコロナの影響により12.9%と例年に比べ高い伸び率となっている。ビューティー部門は前期比+1.6%にとどまっている。

通期業績予想については第3四半期の時点ですでに営業利益・経常利益が業績予想を上回っているものの、昨年2・3月にはコロナの需要増が含まれていること、感染拡大の影響が不透明なことから据え置く。
来期の出店計画では青森県5店舗、秋田県6店舗、岩手県6店舗、宮城県2店舗、山形県1店舗、福島県7店舗の27店舗を計画している。

取り組みの進捗については、ポイントカードWAICについては、11月の時点の会員数が164万人になった。公式アプリは9万8000人を超えるなど、会員数を伸ばしている。

【第3四半期】薬王堂HD、売上+10.2%、営業利益+47.7%。通期予想は修正なし

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