新型コロナウイルスの感染者急増に伴い神奈川県内の病床が逼迫(ひっぱく)している問題を巡り、県病院協会の新型コロナ対策会議が20日、横浜市中区で開かれた。県によるコロナ患者の受け入れ要請に対し、会員の病院長らからは応じる姿勢を見せる声が相次いだ一方、体制の不備などを理由に難色を示す意見も上がった。
会議では県医療危機対策統括官の阿南英明氏が県内の感染状況などを説明し、入院患者の急増で27日ごろに即応病床と同じ数に達するとの予測も紹介。県がコロナ患者を受け入れていない病院に対し院内で陽性患者が発生した場合は原則として当該病院で継続治療を行うよう要請していることに理解を求めた。
小松幹一郎常任理事は「新規感染者の減少を待っていたら被害が拡大する。自分たちでやらざるを得ない」と危機感を示し、「われわれにできること」として陽性者の診療継続や高齢者施設の支援などを挙げた。
会員からは「地域でいくつかの病院が手を挙げている」「自院にコロナ病床を整備した」といった報告が続いた一方、「民間中小病院は規模や設備など指定感染症を治療できる武器を持っていない。風評被害の影響も大きい」という切実な声も聞かれた。
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県病院協会は20日の理事会で、新江良一会長の死去に伴い、新たな会長に吉田勝明副会長(64)=横浜相原病院長=を選出した。同日就任し、任期は6月の通常総会まで。