「事件風化させない」 やまゆり園鎮魂モニュメント決定 神奈川

モニュメントの全体像のイメージ(県提供)

 入所者ら45人が殺傷された神奈川県立知的障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)の再建を巡り、県は20日、鎮魂モニュメントの設計が決まったと発表した。2月から製作を開始し、7月の整備完了を目指す。事件発生から5年を迎える同月26日までには完成させるという。

 モニュメントは園内の管理棟前の広場に設置。「空とつながる水鏡」をテーマにした皿形の形状で、月命日には水で満たす。縁には犠牲者の数と同じ19の溝を設け、満たした水が19本流れ落ちるデザインとなっている。底面にはダウン症の書家・金澤翔子さんが書いた「ともに生きる」の字を彫る。

 水鏡の前には19本のヤマユリのイラストを刻んだ献花台を設ける。献花台に19人の氏名を刻むかどうかは遺族側と調整を続けているという。真鶴町で採石する本小松石を活用したベンチ3基も広場内に設置する。

 遺族側には昨年12月に設計デザインを示していた。県の担当者は「鎮魂だけでなく、事件を風化させないためのメッセージや、ともに生きる社会を目指す誓いとしてモニュメントを活用していきたい」と話している。

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