WEC:カルデロンら3名の女性ドライバー擁すリシャール・ミル、ELMSからステップアップ

 リシャール・ミル・レーシング・チームは2021年シーズン、WEC世界耐久選手権へのステップアップを発表し、ベイスク・フィッセール、タチアナ・カルデロン、ソフィア・フローシュという3名の女性ドライバーとともに同シリーズのLMP2クラスに参戦することを明らかにした。

 高級ウォッチブランドのリシャール・ミルと、FIA WOMEN IN MOTORSPORT(ウィメン・イン・モータースポーツ)によってサポートされているフランスのエントリーは、2020年のELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズへの挑戦に続き、カーナンバー“1”を付けたオレカ07・ギブソンとともに世界選手権へと戦いの場を移す。

 フィッセール、カルデロン、フローシュの3名は昨年、ル・マン24時間レースに出場しLMP2クラス9位入賞を果たしているが、WECシリーズ戦への参戦は今季が初となる。

 カルデロンとフローシュは元々リシャール・ミルのオリジナルメンバーとして起用され、キャサリン・レッグとともにELMSに参戦する予定だった。しかし、シーズン開幕前のテストでクラッシュを喫したレッグが負傷したため、チームはWシリーズで活躍していたフィッセールと契約を交わし、現在のラインアップが完成した。

 2021年にふたたび結成されるこの布陣は、来季のWECグリッドに並ぶふたつのオール女性チームのうちのひとつとなる。リシャール・ミルと同様にELMSから世界選手権にステップアップし、ラヘル・フレイ/マヌエラ・ゴスナー/ミシェル・ガッティンのラインアップでLM-GTE Amクラスに挑むアイアンリンクスがもうひとつの女性チームだ。

 シグナテックは引き続きリシャール・ミル・レーシング・チームのオペレーションを担当するが、これはフランスのチームがふたつのWECプロトタイプクラスで活躍することを意味している。彼らはハイパーカークラスにオレカ製LMP1マシンで参戦する、アルピーヌ・エンデュランス・チームのプログラム運営も担うためだ。

「リシャール・ミル・レーシング・チームの冒険を続けられることを本当にうれしく思う」と語るのは、シグナテック・オートモビルズの責任者であるフィリップ・シノー。

「これはスポーツの枠を超え多くの感情と熱狂を生み出す、非常にやる気を起こさせるプロジェクトだ」

「我々は世界選手権に参加するための一歩を踏み出した。しかし、3人のドライバーのスキルと学習曲線を考えると、私たちは自信を持っている」

「LMP2のルール変更に伴い、新しいパッケージや昨年と異なる運用バランスなど新たな課題もあるだろうが、私たちには大きな野心を抱いているんだ」

「チーム内に素晴らしい原動力が生まれていることを知っており、我々のモチベーションを高めている。それが私たちが可能な限り最高の結果を得ようとする動機付けになっているんだ」

リシャール・ミル・レーシング・チームの1号車オレカ07・ギブソン
リシャール・ミル・レーシング・チームの1号車オレカ07・ギブソン

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