ドラフトで4度も指名された変わり種 西武助っ人左腕ダーモディの異色の経歴

西武への入団が発表されたマット・ダーモディ【写真:Getty Images】

2009年に初めて指名されると、そこから4度もドラフトで指名を受ける

西武が今季の新戦力として加入を発表したマット・ダーモディ投手。現在30歳の左投手で、西武は手薄な先発陣を埋めるローテ候補として期待を寄せている。今オフにカブスとマイナー契約を結んでいたダーモディだが、その契約を解除して来日することを決断した。

このダーモディだが、異色の経歴の持ち主でもある。それはドラフトでの指名回数にも現れている。2013年にドラフト28巡目でブルージェイズから指名され、プロ入りした左腕だが、実はこれが人生で4度目のドラフトでの指名だった。

1度目は2009年。当時、ノーウォーク高に在学していたダーモディはパイレーツから26巡目で指名を受けた。ただ、この時は入団せず、アイオワ大に進学した。2度目は2年後の2011年。この時はロッキーズから29巡目で指名されたが、またも入団には至らなかった。

その翌年の2012年、今度はダイヤモンドバックスから23巡目で指名を受けた。この時、ダーモディは入団を決意。入団交渉を進め、合意目前まで話は進んでいたという。当時、地元紙「デモイン・レジスター」に対し、ダーモディ自身も「大学でプレーするのもあと1年しか残ってなかったから、(ダイヤモンドバックスとの契約に合意することは)正しいことだと感じた。将来的にチャンスがないことも考えられたから、チャンスがあるうちにそれを利用したほうが良いと思った」と明かしている。

3度目のドラフトでプロ入りを決意も、右肘の異常が見つかり契約白紙に

だが、ダイヤモンドバックスで行われた身体検査で右肘の靭帯に異常が見つかったことで契約は白紙に。だが、母校のアイオワ大で改めて検査をしてもらったところ、肘の異常は見つからず。「彼らがMRIを見ると、『断裂は0%』と言っていた。何も異常はないと。(ダイヤモンドバックス側で)何が診断されていたのか、疑問に感じたよ」とダーモディ自身も振り返っている。

そうして迎えた2013年。今度はブルージェイズから28巡目で指名を受ける。自身4度目となるドラフト指名でついにようやくプロ入りを果たした。2016年にはメジャーデビューを果たし、2017年には23試合に登板。だが、2019年オフにブルージェイズから放出されてFAとなった。

過去にはフォークリフトの運転や配送業務、バイク便の仕事もした経験があるというダーモディ。2020年シーズンはまず独立リーグでプレーをしていた。ここでアピールに成功し、子供の頃からファンだったというカブスへ加入。メジャーでも1試合に登板し、このオフにはマイナー契約でカブスと再契約していた。

先発として期待されている西武の新助っ人ダーモディ。身長196センチ、86キロの長身左腕が新天地でいかなる働きを見せてくれるだろうか。(Full-Count編集部)

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