殿堂入り投票結果発表まであと6日 8年ぶりの「選出なし」か

2021年度のアメリカ野球殿堂入り投票の結果は日本時間1月27日に発表される予定だ。投票権を持つ記者たちが事前に公表した投票内容をTwitter上で有志が集計しているが、推定開票率39.4%の時点で殿堂入りラインの得票率75%を超えている候補者は1人もいない。もし1人も得票率75%を超えることができなければ、クレイグ・ビジオの得票率68.2%が最高だった2013年以来8年ぶりの「選出なし」となる。

現時点で得票率トップは通算216勝、3116奪三振のカート・シリング(74.4%)。昨年、8度目のチャレンジで得票率70%を記録していたため、9度目のチャレンジとなる今回、殿堂入りが有力視されていたものの、SNS上での政治的発言などが影響しているのか、思うように得票率が伸びていない。

バリー・ボンズとロジャー・クレメンスの「ステロイド疑惑コンビ」も今回が9度目のチャレンジだが、現時点の得票率はボンズが71.8%、クレメンスが71.2%にとどまっている。最終結果の得票率は事前判明分を下回るケースがほとんどのため、現時点で71%台の両者は今回も殿堂入りを果たすことはできないだろう。

この「トップ3」に続くのがスコット・ローレン(65.4%)、トッド・ヘルトン(54.5%)、ビリー・ワグナー(48.1%)、ゲーリー・シェフィールド(46.2%)、アンドリュー・ジョーンズ(41.0%)の5人。いずれも前回の最終結果から得票率を大きく伸ばしているが、殿堂入りラインには及ばない。

意外にも得票率が伸び悩んでいるのがゴールドグラブ賞11度の名遊撃手オマー・ビスケルだ。2018年の初登場から37.0%→42.8%→52.6%と順調に得票率を伸ばしてきたが、今回は38.5%にとどまっている。DV疑惑が報じられていることが影響しているとみられる。

また、2014年から毎年、有資格初年度での殿堂入り選手が誕生してきたが、今回から投票対象となった選手では通算214勝のマーク・バーリーの得票率8.3%がトップという状況。得票率5%を下回ると翌年の投票対象から除外されてしまうが、このままいけば全滅を回避するのが精一杯だ。

ボンズやクレメンスのステロイド疑惑に加え、シリングの政治的発言やビスケルのDV疑惑など、成績以外の要素をどこまで考慮すべきか投票者は毎年のように頭を悩ませている。旧来の指標とWARなど新時代の指標のバランスも難しいところ。結果発表は6日後に迫っているが、現時点の得票率から判断する限り、今回は8年ぶりの「選出なし」となる可能性が高そうだ。

© MLB Advanced Media, LP.