ジャック・マー氏の〝生存確認〟でソフトバンクG株が最高値更新!

孫正義氏

約3か月もの間、消息が途絶えていたアリババグループの創業者ジャック・マー氏(56)が20日、オンライン番組に登場。中国当局に拘束や死亡の観測が解消されたことで、マー氏と関係が深い孫正義社長(63)率いるソフトバンクグループ(SBG)の株価は21日、年初来高値をつけた。

マー氏は昨年10月に中国の金融規制システムを「老人クラブ」と批判。これに習近平国家主席が激怒したとされ、アリババの子会社であるアント・フィナンシャルが香港や上海市場で行う予定だった株式上場が、当局からの指導で延期となっていた。

当局による拘束劇は枚挙にいとまがなく、〝失踪〟したマー氏にもなんらかの制裁が下っているとの観測が強くなり、この間、アリババ株は10%以上下落したが、投資家の間では「孫さんが一番大変なことになっている」と騒がれていた。

マー氏と孫氏は盟友関係で、SBGはアリババ株の約25%を保有している。右肩上がりだったSBGの株価は、マー氏の失踪騒動が伝わった今月上旬に足踏みとなっていた。だが、今回の消息判明で、21日は2・9%高の8946円と、ITバブル後の実質的な最高値を更新した。

アリババの株価も回復し、孫氏や投資家の不安は解消されたかに見えるが、マー氏の顔見せは株価対策だけで、当局との折り合いはまだついていないとの見方もある。

株式評論家は「マー氏は習近平に次ぐ影響力がある。習氏はアリババを完全に支配化に収める狙いで、共産党の方針に従わない場合はまだ何があるかわからない」と指摘しており、予断は許さないようだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社