玄関チャイムの交換方法|チャイムの仕組みと故障時の対応、設置工事の費用相場を解説

玄関チャイムは住宅購入・契約時にはすでに設置されているので、そのまま長く使用していると、故障によって音が鳴らなくなったり、モニターが映らなくなったりと不具合が発生することがあります。

今回は、玄関チャイムの仕組みと故障時の対応、設置工事の費用相場について解説します。

玄関チャイムの仕組みとは?

最初に玄関チャイムの仕組みを解説します。普段何気なく使用されている玄関チャイムには、主に5つのタイプがあります。

電源プラグ式

電源プラグ式とは、プラグをコンセントに差して使用するタイプ。屋内配線の近くのコンセントから電源を取るため、乾電池のように電池を交換する必要はありません。電源プラグの抜き差しは誰でも可能です。

電源直結式チャイム

電源プラグがない、乾電池式でもない場合は、壁の中から直接親機につないで電源をとるタイプを、電源直結式チャイムと呼びます。プラグがないため、とてもすっきりとした見た目が特徴です。壁の中で直接電源をとっているため、プラグ式のように抜き差しはできません。

乾電池式チャイム

配線工事や電源工事が不要な、乾電池式のチャイム。資格所有者による工事が必要ないため、ホームセンターなどで購入すれば誰でも設置できるメリットがあります。乾電池の寿命がきたら新しい乾電池と取り替えれば、何度でも使用できる手軽なタイプです。

ほとんどの場合、モニターなどはなく来訪者を知らせるだけの簡易的な玄関チャイム式なので、「ピンポン」の音がわかるだけでいい方におすすめです。

最近では、ボタンだけではなく人感センサーがついたタイプも販売されているため、来訪者だけではなく、室内で家族を呼ぶ機会としても使われています。

モニター付きインターホン

モニター付きインターホンは、玄関チャイム音に加え、ビデオモニターで訪問者の顔が見えてドアホンで通話もできるタイプです。扉を開けなくても訪問者の顔が見えるため、防犯性能が高く1人暮らしの女性でも安心です。

パナソニックやアイホンなど、有名メーカーでは「テレビドアホン」の商品名で販売されています。

有線式インターホン

有線のモニター付きインターホンは、玄関に設置するカメラと室内のモニターを有線でつなぐタイプです。以前はこの有線式モニター付きインターホンが主流でしたが、現在は無線式インターホンが増えています。

有線であるため、設置・修理など工事の際には有線工事が必要で、電気工事のできる業者に依頼しなければなりません。

無線式インターホン

無線のモニター付きインターホンは、玄関に設置するカメラと室内のモニターを無線でつなぎます。特徴としては、有線式よりも本体価格が高い反面、有線工事の必要がなく簡単なためそのぶん施工費が少しリーズナブル。

最近では、高機能なモニター付きインターホンも人気が高く、なかでもスマートフォンと連動できるタイプが注目を集めています。不審者の訪問があった際には、警備会社に連絡をしたり非常ベルを鳴らしたりと、防犯性が高いタイプも販売中です。

ワイヤレスチャイム

ワイヤレスチャイムは配線が必要なく、無線距離が届く範囲にであれば基本的にはどこでも設置可能です。玄関とリビングの設置はもちろん、ご年配の家族が過ごしている部屋と自分が持っておいて、呼び出しや会話をするといった使い方もできます。

ワイヤレスチャイムを玄関に設置するのであれば、無線距離が長いタイプを選びましょう。無線範囲は100mと長い距離のものもあるので、2階や庭で洗濯物を干しているときにでも使える便利なタイプがおすすめです。

玄関チャイムの音が鳴らなくなったときにチェックすべきポイント

玄関でチャイムのボタンを押しても音が鳴らない、通話ができないときは、すぐに業者に電話をするのではなく、まずは自分で不具合の原因を探ってみましょう。以下では、親機と子機それぞれの原因の可能性について紹介します。

親機(本体側)の確認

親機は、室内側から確認できる機械のこと。モニターがない玄関チャイム式の場合でも、基本的には壁に設置されています。

テレビを消して、ひとりが玄関チャイムのスイッチを押し、もうひとりが親機で応対して、声やチャイム音が鳴っていないのか音声が小さいのかを確認してみましょう。

電源プラグ式の場合

まずは、親機の電源プラグがコンセントから抜けていないかをチェックします。プラグを一度抜いて指し直したら、次は音量設定を確認しましょう。なんらかの原因で、音量が最小になっている可能性があります。

次に、親機本体を取り外して配線がつながっているかを確認してみてください。

乾電池式の場合は電池交換を

乾電池式で音が出ない・小さい原因として、電池切れや液漏れの可能性があります。液漏れがなければ、親機の乾電池を新しいものに交換をして再度確認しましょう。液漏れやサビが発生しているのであれば、掃除をする必要があります。

ただし、漏れた液を素手で触るのは刺激が強く危険なので、ティッシュペーパーやウエットティッシュを使って取り外し掃除をしましょう。掃除をして新しい電池に入れ替えても、音声に不具合が治らないのであれば、親機本体の故障もしくは子機の故障が考えられます。

玄関子機(スイッチ側)の確認

子機は、ボタンがついた来訪者の顔や声を親機に届ける機械で、送信機とも呼ばれています。子機は屋外に設置されているため、雨風で劣化してしまうケースもあるのです。また、子機につながる電気線が外れてしまい、チャイムが鳴らない可能性も考えられます。

子機についているネジを取り外して、配線をチェックして異常がなければ、見えない部分や親機の故障が考えられます。

不具合が改善されない場合は交換が必要

不具合を改善しないまま放置してしまうと、来客に気づかないという可能性もあります。機器本体の電池や配線をセルフチェックしても不具合が直らないなら、故障が考えられます。

専門業者や管理人に相談をして、チャイムの交換依頼をしましょう。

賃貸物件やマンション物件の場合は修理の前に管理会社へ連絡しよう

賃貸アパートやマンションの場合、物件内に設置された機器を自分で交換することはできません。「故障かな?」と感じたときは、まずは大家さんに相談をして、どのような症状があるかを伝えてみてください。

アパートやマンションの場合、自宅内外だけではなく、エントランスのオートロックと連動していることがあります。セキュリティやシステム全体に影響してしまう可能性があるので、自分で修理するのは控えましょう。

賃貸物件の玄関チャイムやインターホンは、建物の共有部分となり、大家さんが修理・交換費用を負担してくれることがあるので、費用面でもあらかじめ相談しておくとスムーズです。

専門業者へ設置工事の依頼が必要な交換

玄関チャイムやインターホンのなかには、自分で設置・交換できるタイプもありますが、専門業者しか設置できないタイプもあります。

無資格者が自分でインターホンを設置してしまうと、「電気工事士法」の法律違反になることはもちろん、感電などで大怪我をしてしまう可能性があります。

設置費用を抑えるために、ホームセンターで商品だけを購入して自分で設置をしようと思う方もいるかもしれませんが、とても危険。以下で紹介する5つのインターホンは、電気工事士の資格を持った電気屋さん・リフォーム会社に依頼しなければなりません。

電源直結式のインターホン

直結タイプと呼ばれるインターホンは、乾電池式・電源プラグ付きとは異なるものです。壁内部から電源をとっており、設置や交換の際に感電をする恐れがあります。そのため、電気工事士の資格所有者でなければ設置ができません。

熱感知器、ガスの警報器に連動してるもの

熱感知器とは、火災の際に火の熱を自動で感知する機械のことです。熱感知器・ガス警報器のような火災報知器と連動しているインターホンも、電気工事士の資格所有者でなければ設置することができません。

設置の際に配線を誤ってしまうと規格が合わなくなり、火災報知器と連動しなくなる可能性があります。

玄関チャイム式

チャイム音のみの玄関チャイム式から、モニター付きインターホンに交換するときも、資格所有者による工事が必要です。玄関チャイム式の室内チャイムは、天井近くの高い位置に設置されていますが、モニターは顔の高さに設置しなければなりません。

そのため、配線を伸ばしたり位置を変えたりといった工事が必要となります。

子機(スイッチ側)と固定電話を繋げる

玄関側の子機と固定電話をつなげると、来客時に固定電話で応対ができます。コンセントの増設、配線工事が必要となるので、無資格者の設置はできません。

特殊な取り付けが必要な場合

上記で紹介したインターホン、玄関チャイム意外にも、壁に玄関子機が埋め込まれていたり、二世帯住宅などに設置されている特殊なタイプも工事が必要となります。

いずれの場合にも取り外しや配線工事をしなければならないため、専門業者やリフォーム会社への依頼をしましょう。

玄関チャイムの修理設置工事を依頼する際の費用相場は?

賃貸物件の方であれば、修理・交換費用は大家さん負担になるケースがありますが、持ち家の場合はほとんどが自己負担です。

ここでは、玄関チャイム・インターンの修理設置工事の費用相場を紹介します。設置する業者やメーカー、製品のグレードによって価格は上下するので、目安として参考にしてみてください。

チャイム・インターホン本体の交換|1万~

チャイムやインターホン本体を交換するとなれば、本体価格や工事内容によって大きく価格は異なります。乾電池式であれば、本体価格は1万円以下で購入できるものもあり、配線や電源などの複雑な工事は必要ありません。

一方で、テレビドアホンと呼ばれるモニター付きインターホンであれば、本体価格2万~3万円に加え、電源・配線工事費などの施工費もかかります。

電源工事|5万~7万円(本体価格込み)ほど

電源工事が必要なインターホンの設置費用は、本体価格込みで5万~7万円ほど。本体価格以外にかかる費用としては、インターホン用コンセントの増設、設置工事費がかかります。

上記に加え、インターホンが壁に埋まっているタイプや特殊なタイプの場合、設置工事費が上乗せになるケースがあります。

配線工事|4万~(本体価格込み)ほど

配線工事が必要なインターホンの設置費用は、本体価格込みで4万~6万円ほどが目安です。修理であれば一部分の部品だけの交換となるので、比較的費用は抑えられます。

上記に加え、インターホンが壁に埋まっているタイプや特殊なタイプの場合、設置工事費が上乗せになるケースも。

室内と玄関扉の近くであれば上記の価格ですが、離れた外構に取り付ける場合は10万~30万円ほどかかりますが、これは配線が長いほど工事価格が高くなることを意味します。

現地調査費

現地調査費とは、業者が直接室内外の現状を見て、工事内容や設置製品を決めるための調査費用です。リフォームや工事では現地調査費を無料にする業者は多いものの、なかには数千円ほどかかる業者もあります。

ただ、現地調査をしなければ見積もりを出せないことも多いため、工事前には基本的に現地調査をしなければならないことがほとんどです。

出張工事費

出張工事費は出張費とも呼ばれ、業者が現場に向かった際の費用を指します。ガソリン代や移動時間を含めた価格であるため、遠方の業者を呼ぶとそのぶん出張工事費はアップします。

リフォーム会社のwebサイトなどでは、○kmまで2000円、現地調査費用込み4000円などと記載されていることもあるので、あらかじめチェックしておくのもいいでしょう。

部品費

部品費とは、玄関チャイムやインターホン本体とは別に、設置するために必要な部品を指します。部品によって価格は異なりますが、見積もりの際に部品費として記載されるのでチェックしておきましょう。

優良業者選びのポイントとは?

チャイムやインターホンを交換するなら、安心・迅速・安価な業者に依頼したいもの。ここでは、この3つの要素が揃う優良業者を選ぶ方法を解説します。

特殊であったり外構に設置する場合以外は、上記で紹介した価格が予算の目安です。工事費、出張費、諸経費は業者の言い値でもあるので、1社だけではなく2~3社で相見積もりするのがおすすめです。

費用相場の範囲内に対応してもらえるか否か

とても親切な業者がいるなかで、ぼったくり業者がいるのは事実。地域、メーカー、製品によって価格の上下はありますが、ある程度の相場は決まっています。

見積もりを出してもらった際に、何がどの費用であるかの内訳を開示していない場合、何にどのような費用がかかるのか聞いてみましょう。

明らかに高額な価格を提示されたときや、見積もりに疑問を感じたときは、別業者に見積もりをとって比較してみてください。

迅速に対応してもらえるか

玄関チャイムやインターホンが故障したまま、いつまでも放置しておくのは不安です。できるだけ迅速に修理対応をしてほしいものですが、なかには工事が何週間も先になる業者も一部存在しているようです。

電気工事の業者であれば、夏前のエアコン設置する工事などの繁忙期があるため、依頼してすぐに対応できないこともあります。

依頼してすぐ工事に来るのが絶対に優良な業者と断定できませんが、見積もりを出すまでの時間、電話対応、アフターサービスなどを含めたうえで、迅速に対応してくれるかは業者選びのポイントのひとつです。

必要のないオプションを提案されていないか

シンプルな機能でいいと伝えているのに、オプションのついたものやハイグレードなものをになっていないかもしっかりチェックしましょう。

当初に伝えていた希望どおりの製品の見積もりになっているか、オプション費用・部品が見積もりに含まれていないかも確認しておくことが大切です。

口コミ、実績をチェックする

口コミサイトに登録されている業者であれば、スマホやパソコンで口コミや費用のチェックができます。チャイム・インターホン以外の工事をしている業者であれば、従業員の対応、費用、アフターサービスなどの評価もチェックできるので安心です。

地元の業者に依頼するのであれば、普段から照明や家電製品の取り付けで対応してもらっている業者や、近所の人から評判のよい業者を選ぶとより安心できます。

玄関チャイムを自分でも交換することはできる?

記事前半で紹介したように、電気工事や配線工事が必要な作業は、無資格者の交換・設置はできません。電源プラグ式、乾電池式の玄関チャイムで簡単に取り外しができるものであれば、交換や設置は可能です。

玄関チャイムを交換する際には、プラスドライバーが必要になるので用意しておきましょう。

親機(本体側)を交換する方法

親機を交換する手順は以下のとおり。

  • 壁に設置された親機を持ち上げながら取り外す ※電源プラグ式は最初に電源コードを抜く
  • 配線を外し、固定されたネジをゆるめて金具を取り外す
  • 新品の親機の金具を壁に取り付けて固定する
  • 新品の親機に配線をつなぐ
  • 親機を金具に固定して、最後に電源プラグを差し込む

4の手順で配線をつなぎますが、これは逆につないでも影響のないもので、無資格者でも作業可能です。

玄関子機(スイッチ側)を交換する方法

子機を交換する手順は以下のとおり。

  • 古い子機のネジをゆるめてカバーと配線を取り外す
  • 子機の外枠を取り外す
  • 新品の子機の外枠をネジでとめて壁に固定する
  • 子機と配線をつなぐ
  • 新品の子機を外枠に固定してネジをとめる

親機同様、4の手順の配線は逆につないでも危機に影響はありません。親機・子機いずれの場合にも、取り外しが難しいときは、電気屋さんやリフォーム会社を呼んでの相談をおすすめします。

メーカー別|おすすめの玄関チャイム・インターホン

ここからは4つの有名・人気メーカーのおすすめの製品を紹介します。最近では、防犯性を重視したモニター付きインターホンである「テレビドアホン」と呼ばれるものが人気です。

モニター付きインターホンがいいのか、玄関チャイムの来訪者を知らせる音だけがいいのかを決めたうえで製品選びをしましょう。

パナソニック(Panasonic)

冷蔵庫などの白物家電から、音響・映像機器などの黒物家電まで幅広く手がけるパナソニックは、リフォームや住宅関連の機器も多く販売しています。

パナソニックから発売されている、ワイヤレスモニター子機付きテレビドアホン「VL-SWD302KL(電源コード式)」は、高機能かつ使いやすさが特徴です。

留守時の来客の際には来訪者をSDカードに動画保存可能で、自宅内のワイヤレスモニター子機を持っていれば、玄関や親機設置場所に行かなくても来訪者がチェックできます。

リーベックス(Revex)

空き巣・ピッキング対策など、ホームセキュリティ商品を手がけるリーベックス。そんなリーベックスから販売されているチャイムは、シンプルな機能で使いやすさが特徴です。

モニターなどはなく、玄関チャイムとしての機能に特化したもののため、高齢者にも使いやすく、乾電池式・ワイヤレスタイプなので誰でも簡単に設置できます。

とりあえず玄関チャイムを付けたい方におすすめなのが、「人感チャイムセットX850」です。こちらは、本来玄関チャイムにあるボタンがなく、センサーの前に人が立つことでチャイムやLEDライトで知らせてくれるというもの。

センサーにはカバーがついているので、カバーを閉じておけば反応してチャイムが鳴ることはありません。玄関の設置以外にも、高齢者が自分ひとりで部屋を出てしまわないか心配な家庭でも便利です。

アイホン

玄関チャイム・インターホンの有名メーカーといえばアイホン。アイホンから販売されている、テレビドアホンワイヤレスセット「WK-24A」は、スタイリッシュな見た目が特徴で、インテリアにも馴染みやすいデザインが魅力。

モニター付きワイヤレス子機が付属で、親機まで見に行かなくても来訪者がチェックできます。モニター付きワイヤレス子機がついていない「WK-24B」もあるため、用途に応じたほうを選びましょう。

オーム電機

家電やパソコン周辺機器、美容機器などを幅広く手がけるオーム電機のおすすめ玄関チャイムは「monban OCH-M210」です。こちらはワイヤレスチャイムで、玄関チャイムのボタンは両面テープでペタッと貼り付け可能。

室内側に置く受信機は、スタンド式なのでリビングやキッチンなどどこでも設置できるので、玄関チャイムのなかでもとくに手軽で便利な製品です。普段からあまり来訪者がない家庭や、新しい玄関チャイムを設置するまでのつなぎとしても使えます。

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