花王と奈良先端科学技術大学院大学、ディープラーニング技術を用いた新素材開発手法を開発

商品開発を行なうには優れた素材の開発が必要である。たとえば、洗剤の場合は、界面活性剤が重要な素材のひとつとなる。しかし、今まで素材開発はトライアンドエラーを繰り返す方法で行なわれていたため、莫大な時間と費用が掛かっていた。その問題を解決するため、ディープラーニングを用いてAIに大量のデータを学習させ、予測を行なうことで開発プロセスを短くする方法が検討されてきた。しかしながら、ディープラーニングには数万個のデータが必要であり、素材開発の現場で化学反応プロセスのデータを大量に取得するには多くの費用が掛かるため、実用化に至っていなかった。花王株式会社マテリアルサイエンス研究所と奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科情報科学領域の金谷重彦教授は共同で、材料工学分野にディープラーニング技術を適用する手法を開発した。

1. 触媒の写真を用いた活性の予測モデル作成
2. ポリエステル樹脂の化学構造式を用いたガラス転移点の予測モデル作成

同成果により、今まで長期間を要していた素材開発の高速化に寄与する。さらに、AIがどのように予測をしているか明らかにすることで、新しい素材開発の手掛かりとなることも期待される。

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