「ノーモア・コロナ」の矢野阪神 宜野座も安芸も息抜きなしの〝缶詰キャンプ〟

昨年の沖縄・宜野座キャンプは多くの観客が訪れたが…

地獄の〝缶詰キャンプ〟をどう乗り切るか。阪神は21日に合同コーチ会議を行い、春季キャンプの一、二軍振り分けを発表した。沖縄・宜野座で行われる一軍メンバーには、ドラフト1位ルーキーの佐藤輝明内野手(21=近大)のほか、昨季の高卒ドラ1&ドラ2コンビ・西純矢投手(19)、井上広大外野手(19)も抜擢された。

19日にはキャンプ地である沖縄県が新型コロナウイルスの感染拡大を理由に、県独自の緊急事態宣言を発出。これを受けて阪神も他球団と足並みを揃える形で一軍、二軍(高知・安芸)とも無観客形式でのキャンプ開催を決定した。昨季、新型コロナ禍に複数回巻き込まれて散々な目に遭った阪神としても、ナイン及びスタッフの感染予防対策は最重要課題。万全かつ厳格な規律と対策を敷いて臨むことになる。

21日の合同コーチ会議終了後に、井上ヘッドコーチが「制限もいっぱいあるし、休みの日と言っても休みでないようなストレスのたまるキャンプになってしまう」と言及したように、オフの日も含めて外食は当然ながら厳禁。軽い散歩程度の外出こそ許可されるようだが、ゴルフは徒歩でアクセスできるゴルフ場でのプレーさえ認められず、サウナなどの宿舎内施設の利用すら厳しく制限されそうな雲行きだ。

本来なら心身のリフレッシュに充てたいオフ日にも〝缶詰生活〟を強いられるとあって「部屋の窓から海を眺めて波の数を数えるくらいしかやることがなさそう…」「携帯用ゲーム機でも持参するかな…」といったボヤキ声も漏れ聞こえる。

無事に開幕を迎えるため、満員の観客で甲子園球場が埋め尽くされる日を取り戻すためにも「ガマンの時間」は当分続くことになりそうだ。

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