日本ハムのドラフト1位は育っているか? “メジャーリーガー”2人誕生も成果は…

2012年ドラフト1位の大谷翔平(左)と14年ドラフト1位の有原航平【写真:石川加奈子】

日本ハムのドラ1で好成績をあげたのは大谷翔平と有原航平の2人

12球団にとってチーム編成の根幹を成す毎年のドラフト会議。そこで指名した選手たちが翌年、さらには3年後、5年後のチームを支える存在に育ってくれるかどうかは、球団成績の浮沈を左右する重大事だ。

では、各球団は近年どれだけドラフト1位で指名した選手たちを育て上げることが出来ているのか。希望枠、自由獲得枠が廃止され、ドラフトが現行システムとなった2008年以降のドラフト1位指名選手の成績を検証してみよう。

なお、編集部独自に簡易的ではあるが、採点基準を設定。数多く試合に出場してチームの戦力となっているかを計るために出場試合数に応じた得点制とし、10点満点とした。なお、先発、中継ぎ双方で投げた投手には「先発数×2.5」試合で補正をかけることとした。

・野手:100試合、300試合、500試合、700試合、1000試合出場で1点ずつ
・投手(先発):20試合、50試合、75試合、100試合、150試合で1点ずつ
・投手(中継ぎ):50試合、100試合、150試合、200試合、300試合で1点ずつ
・個人タイトル獲得者:4点ずつ(ベストナイン、ゴールデングラブ賞も含む)

2008年の大野奨太も長らく主力捕手としてチームを支えた

今回は昨季、パ・リーグで5位に沈んだ日本ハムだ。日本ハムは例年、その年のNo1選手に入札する方針を打ち出しており、2011年には巨人以外ならば浪人を公言していた菅野智之投手を、2012年にはメジャーリーグ挑戦を希望していた大谷翔平投手を強行指名したり、と特徴的な指名を見せてきた。

では、そのドラフトが2008年以降、12年間でどれほどの成果を残しているか、見ていこう。高い成果をあげたのは2012年の大谷と2014年の有原航平投手だろう。

大谷に関してはもはや説明不要なほど。強行指名し入団に漕ぎ着けると、二刀流として一世を風靡した。2015年には15勝をマークして最多勝、最優秀防御率、最高勝率のタイトルを獲得。2016年には投手として10勝、打者としても打率.322、22本塁打を放ち、チームをリーグ優勝に導いた。MVPにも輝き、2018年からはエンゼルスでプレーしている。大谷は文句なしの10点満点と言えるだろう。

2014年に早大から加入した有原はルーキーイヤーから先発ローテの一角を担い、8勝をマークし新人王に。その後も主に先発としてチームを支え、2019年には最多勝のタイトルを獲得した。今オフにポスティングシステムを利用してレンジャーズへの移籍が決まり、今季からはメジャーリーガーとして再スタートを切る。

日本ハム・斎藤佑樹【写真:石川加奈子】

斎藤佑樹は今季が11年目、清宮幸太郎もそろそろ覚醒してもらいたい

2008年の大野奨太捕手も高い成果を残した1人だ。現在は中日でプレーするが、日本ハムではルーキーイヤーから主力捕手としてチームに貢献してきた。リーグ優勝を果たした2016年にはチームトップの109試合でマスクを被り、ゴールデングラブ賞に輝いた。通算でも873試合に出場しており、評価は9点となった。

3選手がタイトルを獲得している一方で、その他の選手は伸び悩みが目立つか。鳴り物入りで入団した2010年の斎藤佑樹投手は通算88試合に登板して、ルーキーイヤーの6勝が最高。プロ11年目を迎え、今季は正念場となりそう。2013年の渡辺諒内野手は近年、1軍に定着し、定位置を掴みつつあるが、際立つほどの成績は残せていない。

2015年の上原健太投手、2016年の堀瑞輝投手も1軍の戦力にこそなっているが、まだもう一皮も二皮も剥けてもらわないといけない存在だ。また、2017年の清宮幸太郎内野手、2018年の吉田輝星投手もまだ期待ほどの結果は出ていない。今季の覚醒が期待されるところだ。

大谷、有原、そして大野奨と3人のタイトルホルダーを輩出している一方で、その他は小粒な印象となっている日本ハムのドラフト1位。合計点は46点にとどまった。

【表】活躍を数値化… 現行システムとなった08年ドラフト以降の日本ハムドラ1を独自検証

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(Full-Count編集部)

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