トヨタ勢は初日2、3番手。伝統のWRCモンテカルロ開幕「良いスタートを切ることができた」とラトバラ

 1月21日、2021年シーズンのWRC世界ラリー選手権が伝統のラリー・モンテカルロで開幕した。無観客開催となった今大会の競技初日“デイ1”はターマック(舗装路)で2本のステージが行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはカッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合2番手、チームメイトのエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)が総合3番手に続き、前年王者セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)も総合5番手に入り全車がトップ5圏内につけている。
 
 昨シーズンに引き続き新型コロナウイルスの影響を受け、すでに年間カレンダーの変更などが発表されている2021年のWRC。そのオープニングイベントとなるモンテカルロも短縮スケジュールでの開催となり、今季はサービスパークが置かれるフランス南部のギャップがスタート地点となった。

 シェイクダウンが行われないまま迎えたSS1は雨が降り続くなかでのスタートとなり、選手たちは今季からミシュランに替わってタイヤサプライヤーを務める、ピレリのコントールタイヤを装着しての初ステージにぶっつけ本番で臨むことに。このステージでトヨタ勢最速タイムをマークしたのは、最高峰クラス挑戦2年目を迎えたロバンペラで、トップと3秒差のSS2番手となった。
 
 ロバンペラはステージの一部に積雪や凍結がみられたSS2でも速さをみせ、2ステージ連続で2番手タイムをマーク。初日総合首位のオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)と3.3秒差の総合2番手でデイ1を終えている。
 
 また、チームメイトで昨シーズンランキング2位となったエバンスもSS1、SS2ともに3番手タイムを記録し、ロバンペラから5.2秒差の総合3番手につけた。

セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)

 
「ステージの中盤くらいからブレーキに問題が出始め、その後は非常にトリッキーだった」とラリー初日をふり返ったオジエはブレーキの不調から慎重な走りを強いられるも、両ステージでトップ5フィニッシュ。ディフェンディングチャンピオンは首位から16.9秒遅れの総合5番手となっている。

 チームの新たなボスとして舵取りを担うヤリ-マティ・ラトバラ代表は「明日以降も大変な日々が続くが、3台全車が首位から17秒以内に入るなどチームは良いスタートを切ることができた」と語った。

「今日の午後のようなウエットコンディションでは、新しいタイヤをテストできていなかったので、ドライバーたちは大変だったと思うし、彼らは最初の2本のステージで特性を理解しようと努めた」

「カッレ(・ロバンペラ)は本当に素晴らしい仕事をしてくれたと思う。ラリーのスタート直後からあそこまで速く走れるとは思ってもみなかった。エルフィン(・エバンス)もいいパフォーマンスを発揮し、クリーンな走りをした」

「残念ながらセブ(セバスチャン・オジエ)はブレーキに問題を抱え、ドライバーとしては気持ち良くなかったでろうし、やや慎重に走るしかなかったと思う。それでも、クレバーなドライビングを続けてサービスに戻って来てくれたので、明日に向けてパーツを交換し問題を解決するつもだ」

 1月22日(金)のデイ2はサービスパークが置かれているギャップの西側に設定された5つのステージで争われる。今大会もっとも長いステージを含む1日の走行距離は105kmで、そのスタートは夜明け前の6時10分となっている。

TOYOTA GAZOO Racing WRTの代表に就任したヤリ-マティ・ラトバラ
カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)
エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)

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