世界が認めた“斬られ役”福本清三を追悼。主演作「太秦ライムライト」を特別放送

CS放送の時代劇専門チャンネルでは、1月1日に逝去した世界が認めた“斬られ役”こと福本清三さんを追悼し、1月31日に主演映画「太秦ライムライト」(午後2:30)を特別放送する。本編終了後には、さだまさしと対談を行った2013年5月放送の「さだまさし時代劇スペシャル!」もオンエアする。

福本さんは「5万回斬られた男」の異名を持ち、60年以上にわたって“斬られ役”として時代劇を支えてきた俳優。「太秦ライムライト」は、時代劇には欠かせない存在だった福本の功績を称えて14年に制作された初主演作だ。

京都・太秦を舞台に、斬られ役ひとすじのベテラン大部屋俳優の現在と彼を巡る人間ドラマを描いた物語で、チャップリンの「ライムライト」を基に、福本さん自身の人生や時代劇の現状を反映した内容となっている。松方弘樹さんの殺陣や福本さんVS峰蘭太郎の立ち回り、実際に東映太秦映画村で行われているチャンバラショーなど、時代劇好きにはたまらないシーンが満載だ。

物語の舞台は、かつて日本のハリウッドと呼ばれた京都・太秦。日映撮影所に所属するベテラン大部屋俳優の香美山清一(福本)は、大御所スターの尾上清十郎(松方)の時代劇も打ち切られ、出番がない日々が続いていた。そんな折、香美山は駆け出しの女優・伊賀さつき(山本千尋)と出会う。さつきは香美山に殺陣の指導を請うが、女優に立ち回り役はないと断られる。しかし、さつきの熱意に負け、やがて2人は殺陣の師弟関係となる。その後、さつきはチャンスをつかみ、スター女優の階段を上るべく東京に旅立つことに。時が経ち、さつきが主演を務める大作時代劇の撮影が日映撮影所で行われることになるが、そこに香美山やお世話になった人々の姿はなく、さつきは大切なものを見失っていたことに気付く。そして、体調を崩して引退し、故郷で余生を送っていた香美山のもとを訪れたさつきは、復帰を懇願する。

なお、「さだまさし時代劇スペシャル!」では、刀を持った時のすごみとは一変、普段は飾らない朴訥とした福本さんの人柄を垣間見ることができる。

© 株式会社東京ニュース通信社