コロナバブルは崩壊するか?株価の急落に備え、リスクを減らす投資法

2021年の株式市場も波乱の幕開けとなりました。何となくですが、1980年代バブルの崩壊の始まりであった1990年の大発会を思い出します。

当時は誰も、日経平均4万円は間違いなし!5万円もあり得ると思っていましたが、金融政策の変更もあってバブル崩壊の始まりとなりました。


コロナバブルは崩壊するのか

ただ、1990年のようにバブル崩壊となることはないと思います。一番大きな要因は世界的な「金余り」が続く、そして株式市場に参入している人達は新型コロナウイルスの感染拡大の影響をあまり受けていないからです。

1980年代バブルの崩壊時、最初の暴落は買われすぎの修正からの暴落でした。本格的にバブル崩壊となったのは不動産融資に対する総量規制、簡単に言うと金融緩和の終焉でした。つまり、金余りとなっていた資金が吸い上げられたことが原因だったのです。

リーマンショックといわれたバブル崩壊は、金融緩和からの資金吸い上げではなく、世界的な信用収縮での資金吸い上げが大きな要因となったのです。

今回はそうした資金の吸い上げが起こる可能性は低く、新型コロナウイルスの感染拡大が続いても、企業の株価や業績実態に比べて、買われすぎた株価が修正されるだけで「崩壊」とは至らないでしょう。株価が大きく下落することもあるかもしれませんが、それはバブル崩壊ではありません。

株式投資で失敗しないためには

こうした急落やバブル崩壊は、実際にはいつ起こるのかがわかりません。急落した場面でもさらに長期に渡って下落するのか、すぐに買い直されて反発となるのかは終わってみなければわかりません。株式投資は安いところで買って、高いところで売ればいいのですが、実際にいつが安いのか高いのかわからないので失敗をするのです。

「さあ、明日から上がるから今日のうちに買って下さい!」ということになると、今日売る人がいないのですから、誰も株を買うことは出来ません。誰もいつが高いのか安いのかがわからないから株の値段がついているといっても過言ではないでしょう。

そして、株式投資で成功するには、いつが安いのかを知るために、そのためにチャートを見たり、業績の予想を立てたり、世の中の情勢を見極めることが必要になります。

「ドルコスト平均法」と「インデックス投資」

そもそも、投資で失敗をしないためには、株価がいつ安いのかを確実に見極めなければいけないのでしょうか。それとも、上がるか下がるがイチかバチかという勝負を毎回しなければならないのでしょうか。

それでは「投資」でもなく資産形成とは程遠い世界になってきます。投資をするうえで一番重要なのはリスクをいかにコントロールするか、減らすかということなるのです。

そこで、長期投資という観点で資産形成を考えるのであれば、「ドルコスト平均法」と「インデックス投資」が一番楽でリスクが少ない投資方法といえるのではないかと思います。明日高いか安いかもわからず、1年後にいくらになっているのかわからない株価を相手にするにはリスクはつきものですが、この二つの方法を取ればリスクは極端に少なくなるのです。

“指数”を買うインデックス投資

「インデックス投資」ですが、これは例えば日経平均を買う、東証株価指数(TOPIX)を買うというような株価指数を買うものです。日経平均は東京証券取引所に上場している銘柄のなかから225銘柄を選定して算出する指数です。

つまり、日経平均を買うということは225銘柄を買うということ。TOPIXは東京証券取引所に上場している銘柄のなかで、比較的規模の大きな取引所第一部に上場している銘柄を全て買うということになるのです。

実際にはすべての株を買うわけにはいきませんから、投資信託という形になります。投資信託は株の缶詰ですが、運用する人や人工知能(AI)などの優劣によって運用成績が変わってしまいます。株価指数に連動する投資信託であれば、単純にその指数に組み入れられている銘柄を買うので、運用のうまい下手は関係なく運用できるのです。

こうした指数に連動した投資を「パッシブ運用」とか「インデックス運用」というのですが、人やAIなどが運用するよりも長期投資の場合では常に利益が大きいといわれます。

もちろん、優秀な運用者が運用する方がいいのですが、優秀な運用者でも得意とする相場とそうでない相場がありますし、調子の良い時と悪い時があるでしょう。インデックス投資は、株価指数算出の対象銘柄の入れ替えなどが適切に行われ、上昇が続くと考えるのであれば、長期投資とすればリスクが少ない投資といえるでしょう。

一定の金額を買い続ける「ドルコスト平均法」

そして、もう一つこうした「インデックス投資」に「ドルコスト平均法」をいう手法がリスクを減らしてくれます。「ドルコスト平均法」というのは株など毎日のように価格が変化するものを買うときに、安く買う方法です。

株価が下落しているときに「もういいだろう」と言って買った場合、さらに下落した場合には損失となってしまいます。さらに買い増し続けていくといずれ資金が枯渇してしまいます。つまり、毎日株を買い続ければいつかは一番安いところで株を買うことができるのですが、実際には資金の問題でそうはなりません。

つまり、資金が無尽蔵にあればおそらく投資で負けることはないのです。ただ、無尽蔵にお金のある人は非常に少ないですから、あまり現実的とは言えません。

そこで、無尽蔵にあるように見せかければいいのです。そしてその方法が「ドルコスト平均法」ということになります。ただ、実際にはお金が無尽蔵にあるということではなく、将来の資金を当てにできる限りということですし、ある程度の期間継続できるということが条件となります。

もう一つの条件が「固定金額で買える」ということになります。つまり、株式を100株買う、のではなく、1,000円分だけ買うということ。通常の取引は原則的に100株単位の売買になりますから、通常の買い方では現実的に「ドルコスト平均法」は使えないということになります。金額で株を買える証券会社を利用するか、投資信託のように金額で買える投資をする必要があります。

株初心者に向いた投資法

このように「インデックス投資」と「ドルコスト平均法」は非常にいい組み合わせです。そして何よりも長期投資が重要ですから、毎月毎月の積み立て投資などが非常に有効です。

投資の手始めとしては非常に失敗の少ない投資方法でかつ、非常に利益が出やすい投資なのです。何よりも人に頼らずに銘柄選定ができること、というよりは銘柄の選定をする必要がないこと、そしていつ買うかというタイミングも特に気を付ける必要がないことなども初心者むきということになります。

具体的にどの程度利益がでるのか、損失になるのかなどは次回にご紹介しますが、株式だけでなく金や為替、仮想通貨など長期保有が可能で価格が変動するものであれば何にでも通用するので、是非この機会に「ドルコスト平均法」の投資を始めてみるのもいいかもしれません。

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