最多7人、対馬高生が快挙 韓国語能力試験最上級に合格

韓国語能力試験最上級の6級に合格した7人

 2003年度から全国の公立高で唯一、韓国語を専門的に学べるコースを設置している対馬市厳原町の県立対馬高(田川耕太郎校長、421人)で、同校史上最多の7人が本年度の韓国語能力試験(TOPIK)で最上級の6級に合格した。同校初の2年生での合格者4人も含まれ、韓国の大学に進学する3年生3人と共に、語学力の向上に意欲を燃やしている。
 同校は03年度に「普通科国際文化交流コース」を設置し、19年度に「国際文化交流科」に改組。韓国人講師らによる指導を受けることができ、県内外からの入学希望者が増えている。
 TOPIKは韓国の教育省が認定・実施する試験で、6級は「専門分野の研究や業務に必要な言語機能を比較的正確に、流ちょうに使用できる」レベル。韓国の大学への進学条件となる3級以上が対象の「TOPIKⅡ」(300点満点)で、6級は230点以上が合格ライン。同校では18年度に3年生1人が初めて合格し、19年度には3年生2人が受かっていた。
 本年度は1~3年の計52人が受験。6級に合格した国際文化交流コース3年の西林愛海(あみ)さん(18)=諫早市出身=は3月からソウル市立大に進学し、中国語文化学科で中国語の学習を始める予定。西林さんは「親元を離れて島に来たからこそ、人より早く自立できた。将来は語学力を生かして世界の貧困問題に取り組んでいきたい」と意気込む。国際文化交流科2年の梅野純渚(せいな)さん(17)=対馬市出身=は6級合格に「2年間の努力が報われた。これからはハングル検定2級の合格を目指し頑張っていきたい」と決意を語った。
 韓国語を指導している金京児(キムキョンア)講師(48)=釜山市出身=は「みんな積極的に学ぶ自慢の生徒。語学はすぐに結果は出ないが、コツコツと学んだ経験は社会に出た時にきっと役立つはず」とエールを送っている。


© 株式会社長崎新聞社