<レスリング>無観客の可能性にも言及、東京オリンピック開催へ強い決意を示す…IOCトーマス・バッハ会長

 

 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は1月22日、東京オリンピック・パラリンピック開幕まで半年を迎えるにあたり、IOCホームページほかで7分14秒にわたるビデオメッセージを公開(後半は東京オリンピックの会場ほかの紹介)。「開催に向けて全力を注いでいる。(オリンピック・ファミリーの)だれもが7月23日の開会式を心待ちにしている」と、大会の開催に強い決意を示し、予定通りの開催に取り組む考えを示した。

東京オリンピック開催へ強い決意を示したIOCのトーマス・バッハ会長=ビデオメッセージより

 「最優先事項は、すべての参加者の安全。(新型コロナウイルス対策について)あらゆるシナリオを準備している。移動、検疫規則、選手村での社会的距離、迅速検査方法の問題、予防接種の問題、観客の問題」とも話し、無観客大会とすることも選択肢とした。同会長は昨年秋の段階で、無観客での大会開催には否定的な考えを示しており、初めて無観客大会の可能性に言及した。

 21・22日にIOC委員と206の国・地域のオリンピック委員会とで会議をしたことを明らかにし、「すべての委員やオリンピック委員会が、6ヶ月後に開催される今夏の東京大会が、暗いトンネルの先の光となることを決意しています。すべての見通しは良好で、私たちは懸命に取り組んでいます」と話し、関係者が一丸となって大会開催に向かっていることを強調した。

 バッハ会長のメッセージ要約は下記の通り。


 --東京オリンピックの6ヶ月前、現時点での気持ちはいかがですか?

 バッハ会長「オリンピックの6ヶ月前となり、オリンピック・ファミリー全体が7月23日の開会式を楽しみにしています。私は今日(22日)、世界の206の国内オリンピック委員会すべてと話す機会がありました。彼らはすべて完全にコミット(責任をもって引き受ける)しており、これらの大会を楽しみにしています。

 私たちは日本政府の全面的な支援を受けており、昨日、IOCメンバー全員と再度協議を行いました。すべての委員やオリンピック委員会が、6ヶ月後に開催される今夏の東京大会が、暗いトンネルの先の光となることを決意しています。すべての見通しは良好で、私たちは懸命に取り組んでいます。最優先事項は、すべての参加者にとって安全で確実なものにすることです」

 --アスリートの準備について、どんなことを聞いていますか?

 バッハ会長「アスリート委員会と話し合っており、彼らは世界中のアスリートのコミュニティ全体と定期的に連絡を取り合っています。現時点で、彼らはだれもがトレーニング、試合、出場資格獲得に苦労しています。しかし、だれもが情熱的に取り組んでいます。彼らは大会の準備をしており、大会を楽しみにしています。

 私も数日以内に、アスリートのコミュニティと個人的に話をし、彼らの姿勢を直接知る機会をもうけます。私たちは、オリンピックを目指すアスリートがどれほど情熱的であるかを知っています。彼らは現在の状況に適応し、7月23日に誇りを持ってオリンピック・スタジアムに参加し、スポーツの世界だけでなく、全世界へ、重要なメッセージ、(具体的には)レジリエンス(不利な状況における耐久力・回復力)、オリンピックへの情熱、そして連帯や平和のようなオリンピックの価値、を送ることになるでしょう」

--大会ではどの対策が検討されていますか?

 バッハ会長「今年7月から8月に直面する可能性のあるすべての潜在的なシナリオに備え、取り組んでいます。これは広範囲です。そのため、対策として大きなツールボックスを考えており、適切なタイミングで、状況に対処するために必要なツールを決定します。これは、移動、検疫規則、選手村での社会的距離、迅速検査方法の問題、予防接種の問題、観客の問題にまで及びます。

 観客は何人? オリンピック村での生活はどのように組織されますか? これらは本当に大きな仕事です。(現段階で)どんな種類の予防接種も受けられなくても、世界選手権のような大きなスポーツイベントが安全かつ確実に行われ、組織されていることがすでに分かっています。私たちは非常に勇気づけられています。

 私たちの最優先事項は、安全で安心なオリンピックです。対策について検討するにあたり、すべての参加者に対して、安全・安心なオリンピックを確保するためのタブーはあり得ません」

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