【解説】バイデン政権に媚を売る文在寅政権の醜態

爆破された北南共同連絡事務所(昨年6月)

 バイデン政権の発足に伴い文在寅政権の親米的姿勢が際立っている。バイデン政権に媚を売る文在寅大統領と政権の醜態はとても目を開けて見ていられない。

 文在寅大統領はバイデン大統領の就任式にタイミングを合わせてお祝いの文をフェイスブックに寄せたが、この文にはバイデン大統領におもねる卑屈感が漂っている。トランプ前大統領に剛腕で頭を押さえつけられた前轍を踏まないように、最初からバイデンに取り入ろうとしているように見える。

 「韓国は自由に向かう米国の道を常に信頼し、固い同盟として韓半島と域内の平和と繁栄のためにともにします。・・・」

 まるで、明や清の“皇帝に朝貢”して媚びた“李氏朝鮮の君主”を彷彿させる卑屈な姿勢と言わざるを得ない。「バイデン政府の出発に韓国も同行します。ともに行きましょう」などの記述をみても、米国と対等な独立国の元首としての矜持と気概は全く感じられない。文在寅政権にとって米国は何があっても崇めるべき支配国なのだろう。

 また文大統領は安保、経済などすべての分野で「共助」すると記し、徐薫韓国国家安保室長は米国のサリバン大統領補佐官と電話会談(23日)し、朝鮮の非核化問題など、ともに「協力していくことが緊要」であると認識を共にしたと伝えられる。

 「韓米同盟」「共助」「協力」云々は、支配国と隷属国間の実態を覆い隠す美辞麗句に過ぎない。

 「韓米同盟」は韓国軍の作戦指揮権が米軍に握られている状況での「同盟」で、実際は、韓国軍は米軍指揮下に置かれた隷属国の軍隊にすぎず、韓国大統領は統帥権を持たない。

 また南北対話や関係改善に関連、韓国が米国の「承認」を受ける立場にあることはトランプ政権下で赤裸々に暴露された。文在寅政権はこの「承認政策」に忠実に行動して、自ら隷属国に過ぎないことをさらけ出してきた。

 このような実態はバイデン政権下でも変わることは一切ない。

 ハンギョレ新聞は、バイデン政権が「同盟回復」を掲げていることに関連、「韓国の外交的努力と戦略によって朝鮮半島情勢が変わりうる」(1月23日付社説)との期待を示しているが、所詮は釈迦の手のひらの孫悟空だ。支配国に従わざるを得ない格下の立場の悲哀を少しでも慰めようとするマスタベーションに過ぎない。

 “米国を信頼し共にする”などとおもねる事大主義は、朝鮮半島の平和と統一、南北関係の改善を妨げる障害であるだけだ。(了)

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