ロサンゼルス 友好の梅、春告げる 92年、茨城から植樹

 ロサンゼルス東部の街ハシエンダハイツにあるシャバラム・パーク。広大なこの公園の一角に梅園がある。1992年に茨城県水戸の梅園と友好関係を結び、約300本の梅の木が植樹された。
 当時は日系ガーデナー協会やボランティアの人たちが管理や選定、水やり、除草などを担った。そのおかげで、白やピンク、紅梅が咲き誇り甘い香りを辺り一面に漂わせていた。しかし地球温暖化が進み、水不足やスプリンクラーの故障などが原因で、その数は年ごとに減り続け、現在では50本になってしまった。
 地球温暖化といえば、トランプ政権はその対策に消極的で、状況はさらに悪化した。2020年12月27日のロサンゼルス・タイムズによると、19年にサンフランシスコで、18年にロサンゼルスで学生らが「クライメット(気候)ストライキ」やデモを実施し、若者が気候変動に強い関心があることを示した。同ストライキには100以上の国の若者が世界から集まったという。「子供たちの将来に関心を」とプラカードを掲げて行進した。
 70年代の南カリフォルニアでは、日本式ガーデンが各所で見られた。しかし最近は、あまり関心を持たれていない。地球温暖化で火災が発生し、日本式ガーデンなどに関心を寄せる余裕が持てなくなったことも考えられる。SNSを通して、日本式ガーデンを一般に広報することも重要になる。
(当銘貞夫ロサンゼルス通信員)

© 株式会社琉球新報社