トヨタ、WRC開幕戦で1-2フィニッシュ! 王者オジエがモンテカルロ最多8勝目を飾る

 ラリー競技の最高峰であるWRC世界ラリー選手権は1月24日、2021年シーズン開幕戦モンテカルロの最終日を迎えた。このデイ4ではSS12~15の計4ステージが行われ、前日に総合首位に立ったセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)がシリーズ通算50勝、ラリー・モンテカルロ通算8度目となる総合優勝を飾った。

 競技2日目に圧巻の3ステージ連続優勝を果たすなど地元で持ち前の強さとスピードを発揮したオジエ。そのデイ2ではパンクに見舞われ、4本のステージでベストタイムを残しながら2番手に甘んじた前年王者だったが、23日のデイ3で首位を奪還しラリー最終日を迎えた。

 その最終日はモナコを基点に北西に広がるフランチアルプスの山中がラリーの舞台となり、ステージの路面は引き続きターマック(舗装路)、スノー、アイスが混在するトリッキーなものとなった。
 
 総合2番手につけるエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)に対し13秒のリードを持ってSS12を迎えたオジエは、このステージでも手を緩めることなくプッシュを続けベストタイムをマーク。優勝を争うチームメイトを8秒突き放してみせ、その差を21秒に広げる。

 続くSS13では一転、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)とエバンスに次ぐステージ3番手に留まり、ギャップを1.3秒縮められる。しかしSS12の再走ステージとなったSS14でふたたび最速タイムを記録すると両者の差は28.1秒に拡大した。

 迎えた最終パワーステージ、今季限りでの引退を発表している地元のヒーローは最後まで攻める姿勢を崩さず見事、ステージ優勝を飾った。この瞬間オジエの総合優勝が決定。同時にWRC通算50勝、ラリー・モンテカルロ最多優勝記録を更新する通算8勝目が確定した。

 ラリー初日から速さをみせ、今大会つねに優勝争いに加わってきたエバンスはチームメイトに32.6秒及ばず総合2位でフィニッシュ。この結果、TOYOTA GAZOO Racing WRTはヤリスWRCのモンテカルロ初優勝をワン・ツーで達成している。3位表彰台はヒュンダイのヌービルが獲得した。

 トヨタ勢の表彰台独占を阻止したヌービルは最終日のSS13で今大会2度目のステージ優勝を飾ったが、その直前のステージで、総合3番手につけていたカッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)がパンクによってタイムを失ったため表彰台圏内にポジションを上げていた。

 そのロバンペラはパワーステージでSS2番手となるもSS12でのタイムロスが響き総合4位でのフィニッシュに。ヒュンダイからパートタイム参戦となるダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)が総合5位に続いた。同6位はトヨタ育成の勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)だ。今シーズン、最高峰クラスにフル参戦している勝田は、このラリーで自己最高位を更新している。

 総合7番手以下はWRC2クラスを制したアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)からMスポーツのガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)、エイドリアン・フルモー(ヒュンダイi20クーペWRC)、エリック・カミリ(シトロエンC3・ラリー2)と続くトップ10オーダーとなった。

 WRCの次戦第2戦アークティックラリー・フィンランドは2月26日から28日にかけて開催される予定だ。

エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)
ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)
勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)

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