観光農園が苦境、イチゴを使って支援 ホテルやスーパー

観光農園産の新鮮な「紅ほっぺ」を並べる店員=横須賀市久里浜7丁目のヨークマート久里浜店

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛要請で苦しむ横須賀市の津久井浜観光農園を支援しようという動きが同市内で広がっている。農園の完熟イチゴを使ったメニューを開発し、近くフェアを予定しているホテルや、大量に仕入れて店頭に並べるスーパーも。農園関係者は「厳しい状況下で本当にありがたい」と感謝している。

 観音崎京急ホテル(走水)は10日から、ラウンジでノンアルコールワインと紅茶の中に同農園の大粒イチゴなどを入れたホットドリンクのサングリアと、チョコ掛けイチゴ2個をセットでメニューに加えた。毎週日曜にはロビーでパック詰めイチゴを販売している。

 外出自粛の影響でイチゴ狩りの来園者が激減しているという話を濱田真行社長が横須賀市から聞き、「少しでも応援できれば」と観光農園のイチゴを扱うことになった。

 緊急事態宣言が解除されれば、初めての「いちごフェア」を開催予定。特製のストロベリーパフェやいちご大福、タルトケーキを販売するほか、宿泊客を対象に同農園のイチゴ狩りを楽しむプランなども検討している。

 ヨークマート久里浜店(久里浜7丁目)では、同農園の小林務組合長が育てた「紅ほっぺ」を販売している。2年前から扱って昨年は毎週1回、10~20パックだったが、コロナ禍の今年は「販路の拡大に貢献できれば」(同店)と仕入れ量を大幅に増やし、毎日40~50パックを並べている。価格は1パック498円(税別)。

 「新鮮で糖度が高く、味からみればお買い得。お客さまの人気も高い」と同店の担当者も太鼓判を押す。

 小林組合長によると、観光農園の窮状を知り、「販売に協力したい」という申し出が数件寄せられているという。支援の輪はさらに広がりそうだ。

© 株式会社神奈川新聞社