予選レースで勝利したキャデラックのナッセ「ライバル勢は三味線」と主張/デイトナ24時間

 1月24日に行なわれたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦デイトナ24時間レースのスターティンググリッドを決める予選レース『モチュール・ポール・アワード100』で勝利したフェリペ・ナッセは、予選レースを含めたこの公式テストウイークにおいてDPiクラスのライバルたちが実力を隠していたと主張。それはまるで「ジョークのようだった」と語り、ライバル勢が真の実力を見せてくれることを望んでいたと述べている。

 ウェーレン・エンジニアリング(アクション・エクスプレス・レーシング)の31号車キャデラックDPi-V.Rを駆るナッセとピポ・デラーニは、100分間の予選レースにおいて2位の55号車マツダRT24-Pに3.6秒の差をつけてトップチェッカーを受け、1月30日にスタートする24時間レースのポールポジションを得た。

 キャデラック勢はこの予選レースを1、3、6、7位で終えることとなったが、ナッセはDPiクラス全体の勢力図は分からなかったと振り返る。

「僕らはライバルたちのことを知っている。名指しをすることはしないが、彼らはその実力を示していなかった」とナッセ。

「僕らは、僕らの持つものを示すために、全力で取り組んでいる。だけど、彼らはそうしてはないようだ。彼らはいまよりも、もっと速く走れるはずだ」

「僕は、すべてのキャデラックはこの週末、多大な努力を尽くしたと思っている」

「昨日の(予選レースのグリッドを決める)予選を見ただろう? キャデラックはお互いに10分の1秒差以内にいたけど、他のマニュファクチャラーは好きなように走ることはしていなかったよね」

「僕らはレースをするためにここに来ている。マシンから最大限のものを引き出すことを期待してね」

「セクター1、セクター2と素晴らしいタイムで来ているのに、バスストップシケインしかないセクター3を経ると0.5秒も遅くなっているのを見ると、僕はジョークみたいに思えてくる」

「からかっているのか? くだらない周回をして何が得られるっていうんだ。それはこのシリーズ全体を安易なものにして、みんなを生きやすくはさせるだろうね」

 デイトナ24時間レースの決勝ウイークに向けて、BoP(性能調整)が見直される可能性があるため、IMSAがキャデラック勢を遅くすることを懸念していると、ナッセは強調する。キャデラックは技術規則違反によってトップタイム抹消となった23日の予選を除き、この公式テストウイークのすべてのセッションでトップに立っている。

「僕のこれまでのレースにおける経験でも、そしてアクション・エクスプレスに加わってからも、コースに出るたびに僕は僕らの実力を示してきた」とナッセは続ける。

「このことは、それぞれの実力を分析しやすくしている」

「だけど週末のあいだ、そして今日の予選レースでも“三味線”を目にしてきた」

 予選レースでコンビを組んだデラーニも、ナッセの感情をなぞった。

「僕が好きなこのフォーマットの意味合いは、予選(レース)でもポイントが得られ、それを考慮したすべてのチームにプッシュするインセンティブが与えられることだ」とデラーニは語る。

「それがこの予選レースを開催する理由だ。だが残念ながら、いくつかのチームにとってそのインセンティブは手の内を見せるに足るほど大きなものではなかったようだね。残念だよ」

「僕らにとっては、勝利は勝利だ。それによって得られるのが35ポイントだろうと、350ポイントだろうとね。それが僕らのレースのやり方だ。僕らは常にひとつひとつのレースで、勝利のために自分たちのベストを尽くしている。それは今日も同じだ」

「僕らはこのとても重要なレースにおいて、我々が持つ実力を明確に理解した、正直かつ公正なバランス(BoP)によって報われることを期待している」

「僕らはそれ以外の方法で判断したり、正直者であることでペナルティを受けることを望んでいない。だからこそ、僕らは常にレースでの勝利を目指し、最大限の努力をしているんだ」

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