コロナ禍でスペインサッカー界〝崩壊〟危機?オフに選手大量放出も

バルセロナMFカルレス・アレニャ(右)はヘタフェに移籍した(ロイター)

スペイン紙「アス」は、同国サッカー界の移籍市場が低迷していると報じた。1月末の締め切りまで約1週間あるものの「移籍は11件のみ。昨年は45件あった」と指摘し、ビリャレアルからヘタフェに移籍した日本代表MF久保建英(19)、バルセロナからヘタフェ入りしたMFカルレス・アレニャ(23)など今冬の動きは少ないという。

しかも成立した移籍11件のうち、6件はレンタル移籍であり、買い取りが4件、フリーが1件。これまでに動いた金額は1424万ユーロ(約18億円)で1年前の1億3460万ユーロ(約170億円)と比べて89・41%と伝えた。

その原因はもちろん、新型コロナウイルス感染拡大だ。観客動員など、クラブの収入は激減しており、同紙は「危機のためクラブは資金を確保しなければなりません」と、豊富な資金力を武器に世界から選手を買い集めるイングランド・プレミアリーグとは違う状況にあると強調。スペインリーグと各クラブが、こうした問題について話し合う予定があるという。

同紙は「欧州の他クラブが何をしているのか見ないでください」とし、リーグ側がクラブに財政面をさらに引き締めるように要請しているとし「シーズンの終わりには、クラブでキャッシュフローの問題が発生する可能性があります。それを回避するには給与額を調整し、債務を調整する必要があります」と、多くのクラブが破綻の危機に直面していると報じた。

その上で同紙は「ほとんどのクラブは費用を支払う余裕がありません。そして〝入る前に出て行け〟ということわざに従わなければならないでしょう」と記事を締めくくったが、今オフにはスペインで大量の選手が〝解雇〟される可能性もありそうだ。

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