認知症の円滑な服薬は 高鍋高で研究成果報告

 高鍋町・高鍋高(土肥隆夫校長、672人)で20日、1年間の課題研究に取り組む探究科学科2年生の選抜者による研究成果報告会があった=写真。宮崎市で3月開かれる県大会の校内選考会として実施。昨年開いた一般向け報告会で評価が高かったり、担当教員の推薦を受けたりした生徒6人の研究内容に、校長ら教員が改善点を指摘した。
 野中咲花(さくら)さん(17)は、認知症を患う祖母のための服薬支援を調査。服薬介助の程度を点数化し、孫の自分が支援する方が、両親よりスムーズに薬を飲める点に注目した。口調や目線の高さが影響したと仮説を立て、父の介助法を変えて再度調査。しかし変化はみられず、介助する側とされる側の関係性が、支援の円滑さに関係するのではと考察した。
 このほか洗濯物の乾燥時間を推察する数式の構築や、災害時の栄養不足を解消する野菜備蓄といったユニークな研究も。アトピー性皮膚炎の患者にも優しいハンドクリームを研究した吉野早紀さん(17)は「コロナ禍で実験が思うようにできず苦労した。指摘を生かし、内容をさらに充実させたい」と話していた。

© 株式会社宮崎日日新聞社