新型コロナウイルス感染症を巡り、神奈川県相模原市は25日、市内で自宅療養していた90代男性が死亡したと明らかにした。
市によると、男性は妻と2人暮らし。妻は体調を崩して入院後の14日に陽性と確認され、男性も20日に陽性と判明した。男性に発熱などはなく、県の基準では「入院相当」に該当しなかった。本人の希望もあって自宅療養で県と市が健康観察を続けていた。
男性と連絡が取れなくなったことから24日夕に市の保健所職員が自宅を訪問したところ、意識不明の状態で発見され、搬送先の病院で死亡した。男性には基礎疾患があり、23日には家族を通じて「息苦しい」などの訴えがあったが、その後「症状が落ち着いた」との連絡があり、自宅療養を続けていた。
男性には血中酸素飽和度を測定するパルスオキシメ-タ-が貸与されていたが、使用した形跡はなかった。「使い方が分からない」などと話していたという。
市保健所の鈴木仁一所長は「家族とも密接に連絡を取って健康観察してきたが残念」とし、自宅療養者らの見守りを強化する観点で支援チ-ムを発足させる考えを示した。