二宮町新庁舎移転に遅れ 議会で町長が見直し表明 神奈川

二宮町役場

 神奈川県二宮町の新庁舎建設計画を巡り、村田邦子町長は25日の町議会全員協議会で、「(2020年度内の)基本計画の策定を取りやめ、他の公共施設を含めて一体的に考えたい」との意向を示した。町は当初、23年度内に移転する計画だったが、遅れる見通しとなった。

 町は町生涯学習センター「ラディアン」周辺からJR二宮駅北口まで候補地を広げ、他の公共施設を含めて機能の分散・集約を検討する考えを示した。21年度に再び町民の意見を聞き、新たな計画を策定する予定。実質的に市町村庁舎の建て替え費用を補助する国の事業が今年3月末で終了するため、財源確保も課題に挙げた。

 村田町長は同協議会後、神奈川新聞社の取材に対し「新庁舎の整備にとどまらず、町民全体でまちづくりをしたいという熱意を受けて計画を見直した。予定より遅れるが、町民の理解を得られる庁舎にし、より良いまちづくりを進めたい」と話した。

 1978年に建設された現庁舎の老朽化のため、町は2019年2月、基本計画案を策定し、ラディアン周辺を建設候補地としていた。20年度内の基本計画の策定に向けて昨年、町民による意見交換を進めたが、他の公共施設との複合化を求める意見などが相次いでいた。

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