退役のエア・ドゥ初号機、離日 アンカレッジ経由でロズウェルへ

AIRDO(エア・ドゥ)が就航時に導入した初号機(ボーイング767-300ER型機、機体記号:JA98AD)が、きょう1月26日午前、羽田空港からアメリカ・ニューメキシコ州のロズウェルに向けて出発した。

同機はAWASからリース導入し、1998年6月24日にアメリカ・カリフォルニア州のサンバーナーディーノから同アラスカ州のアンカレッジを経由して東京/羽田に空輸。1998年12月20日の初就航から約22年1ヶ月、東京/羽田〜札幌/千歳線を中心に運航してきた。2013年2月に購入し、自社保有機となっている。座席数は286席で、化粧室は7ヶ所、最後部には広いギャレーを設けるなど、国際線への進出を目指して長距離線仕様としていた。

1月19日時点で、総飛行時間は60,119時間35分、総着陸回数は48,270回、概算総飛行距離は約4,400万キロで、地球約1,079周相当を飛行した。当初は数年後の退役を予定していたものの、新型コロナウイルスの感染拡大による需要の減少により、計画を前倒しした。

退役を前に、1月9日に東京/羽田〜函館線、1月11日に東京/羽田〜旭川線、1月17日と20日に東京/羽田〜札幌/千歳線で「ありがとうツアー」を実施し、初代制服「サロペット」を着用した客室乗務員が乗務したほか、就航当時の搭乗券をイメージした搭乗証明書を配布した。1月20日の札幌/千歳発東京/羽田行きADO20便がラストフライトで、社員やマスコットキャラクターのベア・ドゥが横断幕を持って乗客を見送り、出迎えた。

フェリー便のHD9051便は、羽田空港の502番スポットから午前9時9分に出発。午前9時23分頃に離陸し、翼を左右に振って、別れを惜しんだ。同機が約22年に渡って多くの人を運んだ北海道、ロシア・サハリンなどを経て、経由地のアンカレッジに向かう。アンカレッジでは乗員の休息のために1泊。アンカレッジからはアメリカ西海岸沿いを飛行し、徐々に内陸に針路をとり、ロズウェルに向かう。到着後には売却、引き渡しを予定しているものの、その後は未定だという。

乗員3名と整備士2名、社外スタッフ1名の計6名が搭乗。アメリカの入国にあたり、出発前に新型コロナウイルスのPCR検査で陰性証明書を取得した。現地での検査なく帰国し、ホテルでの3日間の強制隔離とPCR検査を経て、14日間の自主隔離を行う予定だという。

2号機も3月には退役させ、ボーイング767-300型機を4機、ボーイング737-700型機を8機の計12機体制に縮小する。予備機を縮小するなどの機材稼働効率化で、運航便数は従来と同規模となる。

■ダイヤ

HD9051 東京/羽田(09:00(実績09:09))〜アンカレッジ(23:15-1/00:00+2)〜ロズウェル(09:00+2)

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