いよいよ明日結果発表 2021年度殿堂入り投票の注目ポイント

2021年度のアメリカ野球殿堂入りの投票結果が日本時間1月27日午前8時から発表される。今回は新型コロナウイルスの影響でベテランズ委員会による選考が延期されており、新たな殿堂入り選手が誕生する可能性があるのは記者投票のみ。殿堂入りのためには得票率75%をクリアすることが必要となる。メジャーリーグ公式サイトではアンソニー・カストロビンスが今回の殿堂入り投票における5つの注目ポイントを紹介している。

【1】シリングは殿堂入りできるのか

今回が9度目の挑戦となるカート・シリングは前回の殿堂入り投票で得票率70.0%を記録しており、今回の殿堂入り投票における最有力候補と目されている。投票対象期間を2年以上残して得票率65%をクリアしたにもかかわらず殿堂入りできなかったのは過去にジャック・モリスしかいない(モリスはベテランズ委員会の選考で殿堂入り)。ところが、シリングの政治的な言動が記者の心証を悪くしており、得票率は殿堂入り確実と言えるところまで伸びていない。今回も殿堂入りを逃すことが有力視されている。

【2】ビスケルの状況は?

ゴールドグラブ賞11度の実績を誇るオマー・ビスケルは過去3度の投票で37.0%→42.8%→52.6%と着実に得票率を伸ばしてきた。ところが、昨年12月に「ジ・アスレチック」によってDV疑惑が報じられ、得票率に悪影響を及ぼしている。事前判明分の得票率は40%前後にとどまっており、前回以上の得票率を記録するのは難しそうだ。

【3】得票率を大きく伸ばしているのは誰?

事前判明分ではトッド・ヘルトン、スコット・ローレン、アンドリュー・ジョーンズ、ビリー・ワグナーらが前回から得票率を大きく伸ばしている。特に前回の得票率が35.3%だったローレンは62.1%まで急上昇。早ければ来年にも殿堂入りを果たす可能性が出てきた。ゴールドグラブ賞8度の実績だけでなく、通算WAR(Baseball-Reference版)が70の大台を超えていることも記者に好印象を与えているようだ。

【4】ボンズとクレメンスはどうなる?

シリングとともに今回が9度目の挑戦となるバリー・ボンズとロジャー・クレメンスの動向には例年同様に大きな注目が集まっている。今回は事前判明分の得票率が70%を超えているものの、75%には達していない。最終結果は事前判明分の得票率を下回るケースがほとんどのため、今回も両選手の殿堂入りはお預けとなりそうだ。最後のチャレンジとなる次回、殿堂入りを果たすことはできるのだろうか。

【5】有資格初年度の選手たちの状況は?

2014年から毎年、有資格初年度での殿堂入り選手が誕生していたが、今回はめぼしい候補がいないため、7年連続でストップすることが確実視されていた。有資格初年度の11選手のうち、次回も投票対象に残ることができる得票率5%のラインを超えているのはマーク・バーリー(7.7%)だけ。トリー・ハンター(4.9%)とティム・ハドソン(3.8%)がボーダーラインにいる。事前判明分以外の投票次第では全滅もあり得る状況だ。

© MLB Advanced Media, LP.