新潟県が脱炭素社会実現へ向けた経産省・国交省との会合を相次いで開催

「新潟カーボンニュートラル拠点化・水素利活用促進協議会」はオンラインで開催された

「新潟カーボンニュートラル拠点化・水素利活用促進協議会」

国土交通省は昨年、港湾において水素などの次世代エネルギーの大量輸入や貯蔵、利活用を図るとともに、港湾機能の高度化を通じて温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラルポート(CNP)」の形成に向け、CNP検討会を開催する6地域の一つに、新潟港を抽出した。

これを受け昨年9月には、2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すことを表明している新潟県や経済産業省などは、地域特性を踏まえた実証プロジェクトの検討や、長期的なビジョン策定を行うため、エネルギー事業者や学識者などを構成メンバーとする「新潟カーボンニュートラル拠点化・水素利活用促進協議会」を設立。その第1回目となる会合が26日、新潟県庁で開かれた。

県内にはエネルギー関連施設が集積しており、長大なパイプラインを通した国レベルのエネルギー拠点となっている。さらにこれまでにも、水素サプライチェーン構想や、洋上風力発電導入の検討など、脱炭素社会へ向けた取り組みが加速してきていることから、経産省関東経済産業局は新潟県を「カーボンニュートラル化に向けた先進的な取り組みを実現する可能性が高い地域」と捉えているという。

新潟東港

協議会の目標は3つ。新潟の産業や物流などを活かした次世代社会システムや、新たな産業の姿を示した「新潟県カーボンニュートラル産業ビジョン」の策定が1つ目。2つ目は、新潟港を拠点としたサプライチェーン構築や機能集積の可能性を検討し、カーボンニュートラルを先導するCNPモデルを創出すること。3つ目は、実証実験などのロードマップを取りまとめることである。

協議会の冒頭、新潟県の花角英世知事がビデオ録画での挨拶を行った。花角知事は新潟県のエネルギー産業が盛んであることに触れつつ「新潟を新たなカーボンニュートラル技術を生み出す実用の場として活用いただくと共に、新潟発のイノベーションを起こしていきたい」と話した。

今後は2月17日と3月23日に協議会を開き、カーボンニュートラルへ向けた産業ビジョン、およびロードマップを策定していく予定だ。

「新潟港カーボンニュートラルポート(CNP)検討会」

「新潟港カーボンニュートラルポート(CNP)検討会」の様子

一方、国土交通省北陸地方整備局も「新潟港カーボンニュートラルポート(CNP)検討会」を設立、26日、北陸地方整備局の会議室やウェブを使って第1回検討会を開催した。

冒頭あいさつに立った北陸地方整備局の岸弘之次長は、「国土交通省では水素やアンモニアなどの次世代のエネルギーの港湾を通じた大量輸入や貯蔵、地域での利活用を図る、また併せて脱炭素化を配慮した港湾機能の高度化、臨海部への産業の集積を通じて温室効果ガスをゼロにするカーボンニュートラル港の形成に取り組んでいくことにしている。このようなカーボンニュートラル港の形成に向けて、新潟港を含め全国6地域で事例の検討が進められている。新潟港では港湾管理者である健交通政策局と共同事務局ということで次世代エネルギーの利活用方策について検討を進めていきたい」などと話した。

新潟県交通政策局の田中昌直局長は、「新潟港は本州日本海側最大のコンテナ取扱量を誇り、火力発電、LNG・石油の備蓄基地などエネルギー関連企業、製造業など多様な企業が集積している。脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化について参加していただいた皆様方と検討することでカーボンニュートラルポートの形成に貢献できるのではないかと考えている」などと話していた。

この検討会では、関東経済産業局および新潟県主催の「新潟カーボンニュートラル拠点化・水素利活用促進協議会」と連携して検討を進めていくこととしている。

検討会の構成メンバーは、北陸地方整備局の報道資料に記載してある。
https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/life/347875_633484_misc.pdf

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