米国で昨年12月に始まった新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、優先されるはずの高齢者や医療従事者の順番を飛び越え、ハリウッドセレブたちがあらゆるコネやカネに物を言わせて接種を受けていることが医師らの証言で明らかになった。
米芸能誌「バラエティ」によると、セレブたちはプライべートドクターやセレブ専門クリニック、特別な医療保険を使ったり、体制が緩いとされるフロリダ州への〝ワクチン接種ツアー〟を組んでロサンゼルスから出掛けている。
ビバリーヒルズの開業医ロバート・ハイゼンガー氏は同誌に対し、ワクチン接種と引き換えに百万円単位の〝ワイロ〟を提示してくるセレブもいると明かした。また、医療保険業界との〝あやしいコネ〟を使って接種順位を繰り上げてもらう強者もいるという。
更に、病院に大口寄付をしてきた有力者たちも病院側に圧力をかけて接種順位を上げてもらったり、〝コンシェルジュ医療〟と呼ばれるセレブ専門医と専属契約を結んでいる人たちが担当医に接種を求めるケースもあるとハイゼンガー氏は指摘した。
米芸能サイト「TMZ」によると、ロサンゼルスのセレブを中心に起きているこのワクチン騒動は、カリフォルニア州政府のワクチン接種体制の遅れに起因しているとの声もある。
だが、俳優アーノルド・シュワルツェネッガー(73)や同ハリソン・フォード(78)のように一般人と同様に順番を待つセレブも当然、存在する。
シュワちゃんは先週、ドライブイン接種の会場となったロス市内にあるドジャー・スタジアム駐車場で、大勢の人たちと一緒に車列に並び、接種を受ける姿が報じられた。
また、ハリソンも接種会場となったロスの短大で一般人に混ざり、約2時間半待って接種を受けたと伝えられた。
一方、ワクチン接種体制が抜け穴だらけだとして公平性の欠如が問題視されているフロリダ州は、法的に不透明な〝ワクチン接種ツアー〟や不正行為の取り締まりを強化するとしている。