〝チェルシーのレジェンド〟ランパード監督解任「5つの理由」

解任されたランパード監督(ロイター)

イングランド・プレミアリーグの強豪チェルシーのフランク・ランパード監督(42)が解任され、英紙「サン」が「5つの理由」と題してその要因を分析した。

まず同紙が挙げたポイントが「早すぎた」。「チャンピオンシップ(2部)で1年しか監督経験がないのにチェルシーの監督となった。非常に経験が浅く、ファンは大きな懸念を抱いていた。戦術の引き出しが少なく実用的なアプローチが欠けていた」とレジェンドの看板だけでビッグクラブを率いる手腕がなかったと指摘した。

次に「規律に厳しいアプローチが敵をつくった」。同紙は「意見が衝突したDFダビド・ルイス(33)をアーセナルに売却し、態度に問題があるDFフィカヨ・トモリ(23)を先発から外して干した。こうした行動によりロッカールームに不安が充満し、一部の選手が反旗を翻すようになり、それをまた冷遇するという悪循環に陥った」とその内情を暴露した。

3番目のポイントは「チーム力をダウンさせる選手が多すぎた」。「ボールへの寄せが遅く、スペースをカバーするための全力疾走をせず、セカンドボールにも激しくいかない。一部の選手の努力が不足していることは明白だった」と選手のヤル気を引き出せないのも指揮官の責任というわけだ。

続いて「ビジネス主導のフロントの犠牲者」。

「チェルシーのようなクラブでは結果がすべて。就任した瞬間、レジェンドだろうと新人であろうと関係ない。大きなプレッシャーにさらされる。事態を好転させる時間はあまりない」とビッグクラブならではの重圧を指摘。そして最後に「巨額補強の戦力を生かせなかった」とMFカイ・ハフェルツ(21)やFWティモ・ベルナー(24)といった期待の新戦力を機能させられなかった手腕を酷評した。

レジェンドだけに期待ばかりが先行して古巣の監督に就任したランパードは、むしろ被害者なのかもしれない。

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