イングランド2部ダービー・カウンティーのウェイン・ルーニー監督(35)がクラブの窮地に〝男気〟を見せた。
15日に現役引退して監督に就任したルーニー。財政難のクラブは昨年11月に身売りしたが、まだ譲渡手続きが完了しておらず新オーナーのシェイク・カレド氏が率いるデルベンティオ・ホールディングスからの資金援助ができない状態。現オーナーのメル・モリスは契約が成立しているため資金の注入に消極的で、クラブでは12月の選手への給与支払いが滞ってしまった。
そうした窮状に、指揮官となったルーニーが立ち上がった。
英紙「デーリーメール」は「財政難の中で、ダービーの選手に確実に報酬が支払われるように、週給9万ポンド(約1280万円)の賃金の一部支払いを延期している」と報道。ルーニーはチームで最も高給取りで監督という立場もあり、選手の給料が未払いになりそうな状況では自身の報酬を全額返上することに同意。その分はクラブの財政状況が改善した際に後払いで受け取る形を申し出て、チームの危機を救おうとしているのだ。
こうした窮地にルーニーは「買収と給料に関する問題の中で選手にとっては難しいし、今のところ移籍市場に参入できないという点で私にとっても難しい。まずはプレーヤーへの支払いが早く行われれば先に進むことができる。その次に、加入させたい選手を調査できる」と頭を悩ませつつも、選手第一でチーム再建を諦めない覚悟だ。
指導者に転身していきなりトラブルに見舞われているイングランドのレジェンドだが、ピンチを切り抜けてチーム再生を果たせるか。