9度目も落選のシリング 次回殿堂入り投票からの除外を要請

日本時間1月27日、2021年度のアメリカ野球殿堂入りの投票結果が発表され、今回が9度目の挑戦となったカート・シリングは16票不足で殿堂入りを逃した。その直後、シリングはSNS上で野球殿堂宛ての手紙をシェア。次回が記者投票で殿堂入りするラストチャンス(10度目)となるが、「私は最終年の投票に参加しないつもりです。投票対象からの除外をリクエストします」と次回の投票からの除外を要請した。

野球殿堂会長のジェーン・フォーブス・クラークは、シリングからの要請について「皆様ご存じのように、野球殿堂理事会では殿堂入り投票のプロセスに関するルールや手続きを定めています。理事会はカート・シリングから2022年度の投票から除外するよう要請を受けました。次回の会議で検討する予定です」との声明文を発表。どのような判断が下されるか現時点ではわからないが、シリングが今回限りで投票対象から除外される可能性が出てきた。

現在54歳のシリングは通算3116奪三振、ポストシーズン通算防御率2.23、ワールドシリーズ制覇3度などの輝かしい実績を誇り、2020年度の投票で得票率70%に到達。今回の投票で殿堂入りを果たすことが有力視されていたが、過去の差別的な発言に加えて、過激さを増している政治的な言動が災いし、得票率71.1%と「微増」にとどまり、9度目の挑戦でも殿堂入りを逃した。

シリングは自身の言動が問題視され、得票率に影響を与えているという状況のなかで「(記者に対する)心からの感謝を表現できるかわかりません。この点において、私は精神的に終わっていると言えます」と述べ、「私は数学を知っています。(投票の)傾向も知っています。(次回も)75%に届かないことはわかっています」と次回も落選することを覚悟していることを明らかにした。

「殿堂入りの可否をベテランズ委員会に任せます。元選手たちが判断した結果であれば、私は敬意を表してそれを受け入れます」と述べているように、自身の殿堂入りの可否を記者ではなく、元選手などで構成されるベテランズ委員会に判断してもらいたいと考えているようだ。

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