【インタビュー】プロバスケ・長崎ヴェルカ 伊藤GM「B1まで最短期間で」

Bリーグ3部参入に向けて抱負を語る長崎ヴェルカの伊藤GM=長崎市、長崎新聞社

 長崎ヴェルカの伊藤拓摩ゼネラルマネジャー(GM)兼ヘッドコーチは長崎新聞社の取材に応じ、2021~22年シーズンのBリーグ3部(B3)参入に向けたチームづくりの進捗(しんちょく)や抱負などを語った。

 -長崎ヴェルカからのオファーを受けたきっかけは。
 日本でバスケットの価値を上げていきたいという思いがあって、チームづくりに携わるGMの仕事をやりたいと思った。人材育成への注力や、地域に必要とされているチームなど自分の理想に長崎ヴェルカの方針がすべて当てはまった。ぜひ協力したくなった。

 -チームづくりの進捗は。
 スタッフの部分はスムーズに進んでいる。B1に負けないコーチ、メディカルスタッフなどがそろうと思う。選手は2人決まったが、最終的に12~15人の契約を考えている。B1、B2から数人ずつ、外国人選手も3名を加えたい。日本人選手は7月半ばに固まり、外国人選手はそれより遅くなると思う。

 -どんなチームを目指すのか。
 選手全員が3点シュートを打てるのが理想。先手を取るために、攻撃でボールを持った選手が常にシュートを狙い、守備で重圧をかけ続けながら展開の速いスタイルを目指す。この戦略の部分は変えない。バスケット界を引っ張る存在になっていきたいので、NBAのチームが採用する戦術も積極的に取り入れていく。アルバルク東京時代、試合中はほとんど英語で指示していた。国際舞台に立てば外国人の審判やコーチとのコミュニケーションは大切。ヴェルカも練習で言葉を繰り返しながら理解させていく。

 -今後の課題は。
 コロナ禍もあって、選手契約までのスケジュール感など最初に思い描いていた計画と大きく変わることがよくある。パニックにならずに、柔軟に対応していきたい。

 -長崎県のバスケットボールの印象は。
 県協会や指導者など、競技力を高めようと非常に熱心。中高生やジュニア世代もクリニックで質問する選手が多く、積極性が素晴らしい。ヴェルカの誕生でさらに熱気が高まればいいなと思う。

 -意気込みや将来像を。
 B3からB1まで最短期間で上がることが目標だが、まずは日々の練習や目の前の試合に集中していく。GMとして強いチームをつくるのはもちろん、選手が「ここなら成長できる」と思える魅力づくりに努めたい。

 -県民にメッセージを。
 わくわくしてもらえるような愛されるチームを、今はみなさんとつくっていきたいという思いが強い。これからも応援をお願いします。(聞き手は則行優志)

 【略歴】いとう・たくま 三重県出身。中学卒業と同時に米国へ留学。高校時代にバスケットボール選手からマネジャーとなった。バージニア・コモンウェルス大卒。2009年、トヨタ自動車アルバルクのアシスタントコーチに就き、アソシエイトヘッドコーチなどを経てBリーグが始まった16年にアルバルク東京ヘッドコーチに就任。18年からはテクニカルアドバイザーなどを務めた。20年9月から現職。38歳。


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