神奈川県の黒岩祐治知事は26日の定例会見で、2020年の県内自殺者数(速報値)が増加したことについて、「新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、多くの方が感染の不安やこれまでと異なる生活環境でのストレス、今後の生活の不安を感じていることが影響したのではないか」と述べ、今後も自殺対策を強化する考えを示した。
県によると、県内の自殺者数は前年比169人増の1245人、人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は同1.8ポイント増の13.5人。自殺者数は東京都、大阪府に次いで3番目に多かった一方、自殺死亡率は全国で最も少なかった。
知事は女性や若年層の自殺者増が顕著になっていることに触れ、「家庭内の問題や将来の不安への悩みが深刻化した可能性がある」と指摘。「生きづらいと感じている方は一人で悩みを抱えず、身近な人や電話窓口に相談してほしい」と呼び掛けた。