会社更生の大興製紙、スポンサー契約の締結確定は「遅くとも5月末」

 1月15日に東京地裁に会社更生法の適用を申請した大興製紙(株)(TSR企業コード:440024757、富士市、塩川好久社長)の債権者説明会が25日、沼津市内で開催された。
 会社側からは、塩川好久社長、申請代理人の綾克己弁護士(ときわ法律事務所)らが出席。債権者は100名以上が参加した。
 説明会は14時に始まった。会社側から会社更生法申請のお詫びがあり、その後、申請代理人が会社更生の経緯や財務状況を説明した。
 また、レンゴー(株)(TSR企業コード:570222265、大阪市、東証1部)とスポンサー支援に関する基本合意書を締結し、みずほ銀行や静岡銀行からDIPファイナンスを得て再建を目指す方針が改めて説明された。
 東京地裁による1月15日付の弁済禁止等保全処分は、1月14日までに生じた債務のうち、50万円以下は弁済禁止の対象から除外されている。今後の取引は、当面は毎月10日、20日、月末を締日とし、締日から10日後に現金支払とするという。
 質疑応答後、15時5分頃に散会した。

 主な質疑応答は以下の通り。

Q.レンゴーとのスポンサー契約の進捗は?

A.今週中にデューデリジェンス(資産査定)に入る予定。2021年4月末までにスポンサー契約締結を確定し、遅くとも5月末までには更生計画案を提出するスケジュールだ。

Q.スポンサー契約の進捗について、今後も定期的にアナウンスするのか?

A.レンゴー、当社ともにプレスリリースする予定。

Q.50万円を超える債権があるが支払はどうなるのか?

A.50万円超の部分の債権を放棄してもらえれば支払いは可能だ。

 また、説明会で配布された資料の記載内容(主要分)は以下の通り。

Q.会社更生の申請はいつ決めたのか?

A.申請日の1月15日に取締役会で決定した。

Q.更生債権はいつ頃、(債権額の)何%支払われるのか?

A.更生債権の弁済時期及び弁済率は更生計画の中で定めるため、現時点では未定。一括弁済か分割弁済かも現段階では決まっていない。弁済は更生計画の認可決定後になるため、弁済時期は早くとも半年以上先を予定している。

Q.取引を継続しても支払いは大丈夫なのか?

A.申請日の前日までに発生している債務の支払いを一時的に棚上げすることから、厳しい状況であった資金繰りはすでに改善した。また、金融機関からDIPファイナンスによる資金繰り支援の約束をもらっている。入金遅れや想定外の支出など、不測の事態も考慮しても資金繰りができるように検討済みであり、資金繰りには問題ない。

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‌大興製紙の本社(TSR撮影)

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2021年1月27日号掲載「WeeklyTopics」を再編集)

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