完了と発表された新潟県の柏崎刈羽原子力発電所7号機の安全対策工事が、実際には未完了であったことが発覚

東京電力ホールディングス株式会社は12日に、新潟県の柏崎刈羽原子力発電所7号機の新規制基準に基づく安全対策工事が完了したと公表したが、実際には、中央制御室に関連する一部工事が完了していなかったことが判明したと27日に公表した。

具体的には、6・7号機共有の中央制御室用の陽圧化空調機が保管されている区域に、室外と繋がる空調ダクトから消化ガスが流出することを防止するための装置を設置する予定だったが、設置工事が未完了だったという。

東京電力ホールディングスは報道資料にて「6号機の安全対策工事として工事管理を行っていたため、7号機の安全対策工事完了時点で未完了であることを確認することができなかった」と説明した。

一方新潟県は今回の事案について、東京電力ホールディングスの担当者を招集し説明を受けるとともに、「発電所の安全対策工事全体の信頼にも影響するものであり、極めて遺憾である」と伝え、さらに他にも同様の事案がないかの調査し、原因の徹底究明を求めたという。

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